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月の裏面でマントル痕跡を発見、地球の内部構造と類似

月の裏面でマントル痕跡を発見、地球の内部構造と類似

Posted May. 17, 2019 09:20,   

Updated May. 17, 2019 09:20

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月にも地球のようなマントルが存在するという具体的な証拠が初めて出た。マントルは、地殻のすぐ下に位置する岩石層で、金属でできた核を囲んでいる。今年1月3日、人類史上初めて月の裏面に着陸した中国の無人月探査機「嫦娥4号」の最初の研究結果だ。人類が月の起源と月の原始状態を把握して、惑星の生成過程を理解できる大きな進展と評価される。

科学者たちは、月にもマントルがあると推定してきたが、月のマントルの存在と詳細な構造は、明確に明らかにできなかった。日本の月探査衛星「かぐや」が、月面から約100キロの上空から撮影したデータを分析して、かんらん石や輝石の存在を推測するだけだった。地質学では、かんらん石と輝石について、マントルで作られたマグマから出る鉱物と見ている。カルシウム成分は少なく、鉄とマグネシウムの成分が多いのが特徴だ。かんらん石と輝石の存在は、月にもマントルが存在するという事実を立証する強力な根拠といえる。

中国科学院の李春來博士研究チームは、嫦娥4号のローバー(探査ロボット)「玉兔-2」の光学と近赤外線分光器を用いて探査結果を分析した論文を、国際学術誌「ネイチャー」の16日付けに発表した。月の南極のエイトケン盆地に、カルシウム含有量が少なく、鉄とマグネシウムの成分が豊富な輝石とかんらん石が存在するという結論だ。ローバーが収集したデータと一般的な月面物質の成分の違いを分析した結果だ。

月の裏側で最大のクレーターであるエイトケン盆地は直径が2500キロ、深さが13キロに達する大型クレーターだ。科学者たちは、約46億年前に地球と月の生成後、間もない41億年前に隕石や小惑星が月に衝突してエイトケン盆地が作られたと推定する。当時ものすごい規模の衝撃で月マントル上部の物質が月面に飛び出したと見ている。

嫦娥4号は、エイトケン盆地でも深い「フォンカルマン」クレーターに着陸して、人類最初の月の裏面探査を開始した。地球から見えない月の裏側は月の原始状態をよく保存していると推定されるところだ。エイトケン盆地のフォンカルマンクレーター周辺に着陸したローバーは、月の裏側の地質と鉱物、土壌の構成成分、地下水などを分析できる。

人類の月探査史上「月の石」を持ってきたことはあるが、深さ13キロのクレーターの鉱物をローバーが直接探査して分析したのは今回が初めてだ。研究チームは、「カルシウム含有量の低い輝石とかんらん石は、月マントルの構成成分として推測される物質だ」とし、「今回の研究は、月マントルの構造だけでなく、月がどのように作られ、進化したのか調べるきっかけになるだろう」と説明した。

韓国地質資源研究院のキム・ギョンジャ責任研究員は、「月にマントルがあると推定されたが、今回の研究結果ほど具体的に証拠が出てきたことはなかった」とし、「月の裏側は原始月の姿を多く残しており、隕石や小惑星衝突の跡も残っている」と語った。

今回の研究で、人類は月の起源をより明確に研究できる道を開いた。キム研究員は、「嫦娥4号の搭載体で土壌や鉱物成分の探査だけでなく、周波数検出、水の有無測定、特定鉱物探査ができる」とし、「エイトケン盆地の探査データを総合分析すれば、クレーターができた当時の状況を推定して、月の起源をより明確に説明できるデータを得ることになる」と明らかにした。


キム・ミンス記者 reborn@donga.com