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トランプ氏に憎まれれば容赦なく更迭、米政権「代行体制」

トランプ氏に憎まれれば容赦なく更迭、米政権「代行体制」

Posted April. 10, 2019 07:40,   

Updated April. 10, 2019 07:40

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米政権の高官が相次いで更迭され、辞任し、トランプ政権が「代行体制」で延命している。特にトランプ大統領に反旗を翻した長官や関連組織に対して「粛清」水準の大々的な人事が行われ、政策推進力の喪失や組織不安を懸念する声が多い。

トランプ氏は8日、大統領警護隊(シークレットサービス)トップのランドルフ・アレス長官を解任した。大統領警護隊は、国土安全保障省の所属機関だ。前日にはアレス氏の上官である国土安全保障省のキルスティン・ニールセン長官も更迭された。このため、大統領が自分に従わない国土安全保障省に大々的に手を入れようとするのではないかという分析が提起されている。

米税関・国境警備局のケビン・マカリーナン局長が国土安全保障長官代行に任命され、現在、連邦政府15省のうち内務省、国防総省、国土安全保障省の3省が長官代行体制だ。ミック・マルバニー大統領首席補佐官も代行であり、前職の行政管理予算局長も空席だ。連邦航空局(FAA)、食品医薬品局(FDA)、中小企業庁(SBA)など次官級がトップである主要機関も局長代行体制だ。

これらの機関の前のトップは大統領に言い返したり、トランプ氏の要求どおりに政策を推進しなかったという共通点がある。特に、法を犯しながらも自身の政策を強行するトランプ氏を阻止しようとして追い出されたと、米メディアは分析する。ニールセン氏は、不法移民の両親と子供を引き離す政策をめぐって、「国際法および裁判所命令違反」だと大統領を説得しようとしたが失敗した。特に先月、ホワイトハウスで開かれた不法移民問題をめぐる会議で、南部の国境を閉鎖せよという大統領の指示に「悪く危険な発想」と反旗を翻した。怒ったトランプ氏は、ニールセン氏を怒鳴りつけたと、CNNは伝えた。マティス前国防長官、ティラーソン前国務長官も似た経験をしたという。

トランプ氏が主要機関のトップを任命せず代行体制を続ける理由も、自分に従順にならざるを得ないいわゆる「臨時職」を好むためという見方もある。米紙ワシントン・ポストは同日、「公務を軽く見る大統領によって代行体制が乱用されている。該当省庁の政策決定力およびリーダーシップをマヒさせ、組織トップの権威を対内外的に弱めるだけでなく、短期的な問題解決に汲々とするようにさせる」と強く批判した。米紙ニューヨーク・タイムズも「大統領に『ノー』と言う人が残っただろうか」と同調した。

行政省庁トップの代行体制は、人事検証および承認権を持つ議会の力を弱め、憲法に明示された三権分立の原則を傷つけるという批判も絶えない。米議会の承認が必要な711の政権高位ポストのうち現在までに最終承認が出たのはわずか436。残りは人事聴聞会が開かれなかったり、指名すらされなかった。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com