「ありがとう、ポール議員」
米国務長官に指名されたポンペオ中央情報局(CIA)長官の人事案が23日、上院外交関係委員会で承認されるやいなや、ドアの外で待っていたポンペオ氏は会議場に入ってランド・ポール共和党上院議員に握手を求めた。
ポンペオ氏の人事案は当初承認が難しいと予想されたが、ポール氏が賛成票を投じ、外交委を通過することとなった。採決の結果は11(共和)対10(民主)で際どかった。
ポール氏は、トランプ大統領がポンペオ氏を指名した直後から反対の意思を明らかにしてきた。ポンペオ氏が戦後のイラクとアフガニスタンの混乱を防ぐことができず、CIA長官としての役割を果たせなかったという理由からだ。
共和党所属だが反戦草の根運動に参加してきた「リバタリアン(自由主義者)」のポール氏は、これまで米国の戦争介入に強く反対してきた。イラク増派、アフガニスタン撤収など戦争関連の採決があるたびに、ポール氏は自身の信念によって党論に反する票を投じ、共和党の「みにくいアヒルの子」で通じた。
ポール氏は今回の採決で立場を変えたことに対して、「トランプ大統領が数回電話をかけてきて頼まれた」と明らかにした。トランプ氏が「ポンペオ氏は米朝首脳会談でなくてはならない人だ。北朝鮮を説得する適任者だ」と執拗に頼んだという。ポール氏は「トランプ大統領とポンペオ氏が『イラク戦争は失敗だった』と公式に認め、アフガニスタンから完全に撤収することを約束した」と付け加えた。
これまでポール氏を信じてきたが、虚を突かれた民主党は、結束力が崩壊する様相だ。多くの民主党議員がポンペオ氏賛成の意思を明らかにしており、今週中に開かれる上院全体会議では通過が確実視されている。
鄭美京 mickey@donga.com