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国会議員の特権

Posted December. 09, 2017 09:18,   

Updated December. 09, 2017 09:45

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ソウル汝矣島(ヨイド)にある国会議員会館では、時々、交通戦争が繰り広げられる。会議出席のため、国会議事堂の本館に行こうとする議員らを運ぶ車両が一斉に集まるからだ。直線距離で150メートル、曲がった道を勘案しても250メートルに過ぎないこの道を、多くの議員たちは車に乗って移動する。韓国だけでみられる珍しい風景だ。自転車で登院したり、秘書なしで働く欧州諸国の国会議員の姿は、韓国では想像すらできない。

◆電車に乗るときは、VIP用顧客接見室を利用する。海外に出て行けば当然、現地の大使が空港まで出迎える。軽いものであれ、重いものであれ、会議資料は、体だけが抜け出した国会議員に代わって、補佐官が本会議場まで駆けつけていって持ってくる。最初は、このような慣行に拒否感を感じていた議員も、このようなことに慣れるのに一ヶ月もかからないという。このような慣行的特権を除いても、法的に保障された特権だけでも54件にのぼる。過去より減ったものの、国政監査を餌に、後援金を密かに要求することも消えたわけではない。

◆国会議員の歳費は昨年1億3796万ウォンで、所得水準を勘案すれば、日本やイタリア次いで3位だという。歳費のほか、車両維持費、政策開発費など、年間9251万ウォンの支援を受ける。 7人の補佐陣の給料4億4000万ウォンを含めると、国会議員1人当たりにかかる税金だけでも年間6億7000万ウォンに上る。しかし、世界経済フォーラム(WEF)によると、立法機関の効率性は、139の調査対象国の中で99位だ。政治家の信頼性は、137カ国のうち90位にとどまった。それでも国会は最近、歳費を2.6%上げ、インターン1人を減らす代わりに8級秘書1人を増やした。

◆選挙シーズンになると、国会議員らは自ら特権をなくすと決意する。2016年3月、当時のセヌリ党(現在は自由韓国党)の議員40人は、「国会議員の無労働無賃金」をはじめ、5大改革を履行しなければ、1年間の歳費を返納すると約束したが、一人も守らなかった。与党「共に民主党」も同様に無労働無賃金の原則から政治家の天下り禁止法制定、腐敗議員の住民リコール制の実施までを公約したが、すべて空念仏となった。「セルフ規律」の期待を捨てる時が来たようだ。

河宗大(ハ・ジョンデ)論説委員 orionha@donga.com