今年は、まるで2年前の場面を再生しているようだ。同じ大会で、同じ会場もさることだが、米国カリフォルニア州カールスバッドのアビアラGC(パー72、6593ヤード)も同じだ。イ・ミリムは今回も単独首位で最終ラウンドに突入した。
しかし二度の失敗はなかった。イ・ミリムは最終日の27日に7バーディー7アンダー65で回り通算20アンダー268とし頂上に立った。2年前の最終ラウンドでカーが記録したストローク数と並んだほか、通算スコアもカーが打ち立てた大会最少ストロークでの優勝記録にも並んだ。今大会の優勝は2014年10月のレインウッド・クラシック以降、約2年6ヵ月ぶりに優勝だ。通算3勝目で優勝賞金は27万ドル(約3億ウォン)。
2年前とは違って、イ・ミリムは最終ラウンドで序盤から2位グループとのスコアを広げて行った。1番(パー4)でのバディーを皮切りに、9番まで奇数のホールでバーディーを奪いスコアを5つ伸ばした。イ・ミリムは15番と16番(いずれもパー4)で連続バーディーを奪取し、事実上優勝を決定付けた。
悲願の優勝を果たしたが、イ・ミリムは「優勝パット」をしなかった。それには訳があった。最終ホールの18番(パー4)で、イ・ミリムは10メートルを超えるバーディーパットを残していた。一緒に回ったホ・ミジョン(28)のボールは、それより短い距離にあった。ところが、、先にバーディーパットをしたイ・ミリムのボールはカップの手前で止まった。こういう場合は、ボールが止まった場所にマークをして、ホ・ミジョンのパットが終わった後にギャラリーの歓呼を受けながら「優勝パット」をするのが一般的だ。しかし、イ・ミリムはすぐパターでボールをカップに沈めては、何気なくラウンドを終えた。ホ・ミジョンに気遣ってチャンピオンだけが享受できる権利を放棄したのだ。
優勝が決まった後、イ・ミリムは「なぜ優勝ンパットをしなかったのか」という質問に、「ミジョンさんの(パット)ラインに引っかかったので…」と笑みを浮かべて言葉を濁した。
イ・ミリムは、「2年前に逆転負けした後、相手がうまかったよりは自分が駄目だったんだと思った。今日は、できるだけ過去のことを忘れてプレーに集中しようと努めた」と話した。
李憲宰 uni@donga.com