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「イケメン中年」の康石雨、「往年の人気?中年の素敵な人生もいい」

「イケメン中年」の康石雨、「往年の人気?中年の素敵な人生もいい」

Posted December. 26, 2016 08:21,   

Updated December. 26, 2016 08:28

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「もはや30年だなんて…。公開初日にソウル明宝(ミョンボ)劇場前のカフェで、気をもんでいたあの時が生々しいですね。10年、15年が経って、『あ、そろそろ忘れ去られているな』と思っていたのに、30年になると、またもはっきりしてきますね。本当に不思議ですね」

1986年の公開作品のうち、22万人の観客を動員して興行首位を記録したクァク・ジギュン監督のメロ映画「冬の旅人」が、公開30周年を迎えた。1983~1984年、東亜(トンア)日報に連載された崔仁浩(チェ・インホ)作家の小説を原作にしたこの映画は、康石雨(カン・ソクウ)や安聖基(アン・ソンギ)、李美淑(イ・ミスク)など、当代の青春スターらが大勢出演して、純粋な愛とは何かについて考えさせられた。

映画の中の悲恋の主人公「ミンウ」役を演じた俳優の康石雨(59)氏に22日に会った。本業である演技のほか、芸能番組では優しい父親として、同時間帯の聴取率トップを記録しているラジオのクラシック番組ではDJとして、人々とコミュニケーションを図っている。

「気温が寒くなったり、シューベルトの『冬の旅』を流したりすると、ラジオの聴取者たちから映画のことがよく届いています。今も皆さんの胸には、あの映画が残っているんでしょう。1985年11月の第3週にクランクインをしたが、尹東柱(ユン・ドンジュ)詩碑前での初撮影が、記憶に生々しく残っています。12月初めに、落ち葉をかき集めておいて、12月末に撒きながら撮りましたね。ロマンチックな時代でしたよ」

康氏は2010年、自ら自分の生を閉じた監督と、2013年にがんで他界した崔仁浩作家について、特に残念な気持ちを伝えた。

「1978年に映画『旅愁』で、25歳の演出部スクリプターだったクァク監督と、新人俳優だった私は初めて会いました。振り返ってみると、監督の作品は男性主人公の人生がすべて悲劇に終わっていましたね。映画が終わってから何度もお目にかかりたいといったのに、返事をもらえませんでした。あんな形があの世に行かれることを知っていたなら、無理をしてでもおたずねするべきだったのに…。仁浩兄さんはわが時代の文学支配者であり、私にはあまりにもいい兄貴でした」

若い世代には、ドラマの中の「主人公の中年の父親」の役でもっと馴染んでいる彼だが、冬の旅人後、「イケメン青春スター」として主演を総なめしてきた。しかし、彼は全くマネジャーを抱えず、自分ひとりで演技をやってきている。

「自分では、スターというよりは俳優だと思います。3年前に誰が最も人気があったのか覚えていますか?人気なんてあんなに瞬間的なものですね。それに少し早めに気づいただけなんです。人気を体感したことはあるが、浸ったことはないような気がします」

中年になってから、かえってもっと素敵な人生を送っている、というのが氏の説明だ。「青春時代への残念さはありますね。しかし、中年はもっと素敵だと思います。最もいいことは、世間を錐のように鋭く見ていないということですね。人間や仕事について丸くなるというでしょうか…。鏡をみれば、髪の毛は白くなっているの、自分の目にはもっと素敵に映りますね」

彼のスケジュラーは、普通のトップスターに劣らぬほど、びっしりと詰まっている。「毎日午前はラジオのことをこなしているし、トークショーも手掛けています。最近は、自分が選曲したクラシックアルバムをリリースしており、2月は芸術の殿堂で行われるクラシック公演の制作にも参加することになっていますね。1月初頭からはドラマも始まりますし。あ、インタビューの後は、日本語の勉強に行かなければなりません。忙しいでしょう?(笑い)」

彼は相変わらず、「冬の旅人」を覚えていてくれる観客らに感謝の挨拶を伝えた。

「『冬の旅人』は、東亜日報に連載されていた時も、読みながら泣いていたし、小説として発売された時やシナリオを読んだ時も、そのたび涙を流しましたね。若い観客には美しくても悲しいあの時代の若者たちの姿を感じることのできる映画として、既成世代の方たちには、自分の青春を追憶できる映画として長らく記憶に残ればと思います」



張善熙 sun10@donga.com