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[社説]「良質の保育」を妨げる規制が少子化を煽る

[社説]「良質の保育」を妨げる規制が少子化を煽る

Posted December. 29, 2010 05:52,   

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10日前、テレビを通じて「恐怖の子どもの家」を目にした全国の親たちは驚愕した。仁川(インチョン)にある「子どもの家」(保育施設)の院長の母親が、おもらしをした3才未満の幼児を殴ったり、足で胸を押さえつけて無理やり薬を飲ませるシーンが放送された。親たちは、「血が逆流する思いだ」と憤った。院長と院長の母親は警察に拘束されたが、驚いた親たちの心は簡単には静まらない。このような事故が相次ぎ、保健福祉部が処罰強化案を打ち出した。身体の虐待や暴言、低質な給食などを禁止し、これを破る子どもの家の保育士や施設の許認可を取り消すという内容だ。親が幼い子どもを信じて任せられるようにするには、政府が児童虐待の再発から確実に根絶させなければならない。

全国約3万7000の子どもの家を政府がすべて常時監督することは難しい。誤った慣行に対する内部告発を促す案を講じなければならない。子どもの家に監視カメラを設置し、インターネットにつなげて、親がスマートフォンやインターネットで子どもの様子を確認できるようにする案も避けられない面がある。

09年末現在の保育施設の定員は約148万人で、利用する子どもは約117万人だからといって、「施設に余裕がある」と考えては誤算だ。別途の支援を受けるので施設がいいと噂になった国公立は、子どもが生まれる前から申請しなければ入れないほどで列を成している現実を見なければならない。民間の「子どもの家」は、月38万3000ウォン(0才)〜17万2000ウォン(4才以上)という保育料の上限の規制があり、施設や人材投資の余力がなく、子どもの世話をする環境は不十分だ。保育料自由化案については05年にも議論になり、保健福祉部が「一部自由化」を推進するとしたが、「格差拡大」との批判に遭い実現されなかった。李明博(イ・ミョンバク)政府発足直後に出された「保育料自由化で保育サービスを市場に任せる」という案も、これまで話題にものぼっていない。

このような理念型規制が、親の保育料の負担をかえって大きくしている。レベルの高い「子どもの家」を探し、保育料の規制を受けない英語幼稚園に月120万ウォンを払って子どもを通わせる親が出ている。親の負担能力を考慮した良質の保育サービスを供給するために、保育料の現実化と自由化が急がれる。

韓国の出生率は世界最低水準だ。韓国女性の経済活動参加率は49.4%で、経済協力開発機構(OECD)の平均61.4%に大きく遅れている。三星(サムソン)経済研究所は、30〜34歳の働く女性が、仕事と家庭を両立できるようになれば、09年基準で韓国の1人当たりの国民所得が1万9830ドルから2万2626ドルに増えると推算した。多彩な保育サービスの供給が、社会を変えることができる。