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「バックミラー」が手がかり、聴覚障害者の疑惑を晴らす

「バックミラー」が手がかり、聴覚障害者の疑惑を晴らす

Posted October. 06, 2010 07:57,   

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今年初頭、ソウル市瑞草区盤浦洞(ソチョグ・パンポドン)の高速バスターミナル前で、現金1億ウォンの入ったカバン強奪事件の容疑者が、犯行から8ヵ月後、逮捕された。警察はこれまで、聴覚や言語障害者出身の専門的なひったくり集団や一般のひったくり組織の犯行手口を詳細に分析し、捜査を進めてきた。

ソウル瑞草警察署は先月18日、ソウル龍山区(ヨンサング)の商店街で、チョ某容疑者(35)を検挙したことを5日、明らかにした。警察は、チョ容疑者の自供を引き出すことに全力を傾ける一方、逃走した共犯の李某容疑者(38)の逮捕状を受け、行方を追っている。チョ容疑者などは、聴覚障害者ではなかった。

2人は今年1月22日、セキュリティ会社の社員が、高速バスターミナルの待合室にあるATM(現金預け払い機)への入金のため、輸送していたカバンを盗み、逃走した。警察は事件直後、聴覚や言葉に障害を持つひったくり集団の前科者らを主要容疑者と見て、捜査を進めてきた。

警察の関係者は、「1980年代半ば以降、バイクでのひったくり事件の主要容疑者らのうち、聴覚障害者が少なくなかったことに注目し、首都圏周辺で活動している聴覚障害者の4つの組織について捜査を進めてきた」と明らかにした。彼らは、音への恐怖が一般人より少なく、速いスピードでバイクが運転できる上、手話で遠いところからでも、コミュニケーションができることを悪用し、犯行を行ってきた。

実際の捜査段階で、瑞草警察署、ソウルや京畿(キョンギ)地域で、教会の献金など8億ウォンをバイクでひったくった聴覚障害者などひったくり集団メンバー23人を逮捕する成果を上げた場面もあった。しかし、警察は、容疑者が聴覚障害者ではなく、一般人である可能性もあるとみていた。犯行の手口が、聴覚障害者のひったくり集団の特徴とは、一致しないという分析が出たためだ。

警察によると、一般人のひったくり組織と聴覚障害者のひったくり組織との犯行手口には、相当な開きがある。聴覚障害者らは主に3人1組で犯行を行う一方、一般人は2人1組でヘルメットをつけ、身元を徹底的に隠したまま、犯行を行っている。

聴覚障害者らは、「キャッチャー(バイクの運転手)」と「ひったくり(金をひったくる役割)、「対象探し(銀行で犯行対象を選ぶ役割)」の3つの役割があり、対象探しが名指した人を相手に、すばやく犯行を済ませる。しかし、キャッチャーやひったくりで構成された一般人組織は、銀行前で長時間待ち、現金を手にして出てくる人のあとをつけ、ひったくる手口を主に使っている。ターミナルでのひったくり事件の容疑者2人は当時、黒色の上下を着、ヘルメットなどで顔を隠していた。

犯行現場周辺の防犯カメラに撮られた犯人らのバイクに、バックミラーがなかったことも、捜査方向を元に戻すきっかけとなった。聴覚障害者らは、バックミラーがなければ、視野を確保することができず、速いスピードでバイクを運転するのが難しいためだ。警察は、「高速バスターミナル事件の捜査段階で、未決の事件も一緒に解決された」とし、「今後、都心周辺のバイクによるひったくり犯罪集団の根絶に向け、全力をあげるつもりだ」と明らかにした。



jhk85@donga.com coolup@donga.com