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出口戦略はいつ…通貨政策「右往左往」

Posted April. 27, 2010 06:25,   

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基準金利の引き上げが中核となっている「出口戦略」を巡り、政府や韓国銀行(韓銀)の悩みは、日増しに深まりつつある。最近、国内外から金利引き上げの必要性が相次いで持ち上がっており、金融サミット(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも、出口戦略が必要だという指摘が出たことを受け、「出口戦略は早すぎる」と強調してきた政府の従来の論理が、次第に説得力を失っている。尹遝鉉(ユ・ズンヒョン)企画財政部長官も異例に、低金利の副作用を懸念すべきだと触れたことを受け、市場では当初の予想より「出口」が迫っているのではないか、という見方も出ている。

●政府、従来の立場を変えるのか

尹長官は25日、ワシントン特派員らとの席で、「低金利による過剰な流動性のため、金融危機に見舞われたが、再び低金利によってこの事態を収拾しており、それは危機をはらむことと同然だ」と述べた。「金利引き上げは、時期尚早」と機会あるごとに強調してきた尹長官が、低金利の弊害に触れたのは、異例のことである。2日前の23日、尹長官は、「本格的な出口戦略の実施は、11月のG20首脳会議まで議論されるべき問題だ」と明らかにしたが、2日後には全く違うニュアンスの発言が出たのである。

これを巡り、G20財務相会議で、各国の現状を踏まえての出口戦略実施の重要性が浮き彫りになったことを受け、尹長官もそれに同感を示し、今後、韓国政府の「出口戦略の時期尚早論」も、緩和されるのではないか、という見方が出ている。実際、昨年11月、G20財務相会議では、「出口戦略を巡る協力」が強調されたものの、今回のワシントン会議では、財務相らが、「経済回復は、国家間や地域間で異なる速さで進められており、国ごとに自国の現状に即した出口戦略をまとめるべきだ」と発表した。

尹長官は昨年初頭、長官に内定直後、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「低金利の危機をはらんでいる」と語った。尹長官の25日の発言は、心の片隅に抱いていた問題意識だが、口に出すのを控えてきた「超低金利の副作用」について、いまや再び公論化する必要があると判断したものと見受けられる。

●色あせた政府の「国際協力」論理

金利引き上げは、時期尚早という政府の従来からの論理の背景を大きく分け、「民間の自生的成長が確認されるまで待つべきだ」と「G20議長国として国際協力を行うべきだ」という2つがあった。しかし、この2つの論理は共に、その根拠にひびが入っている。

財政政策の出口戦略は、韓国を含めたほとんどの国が実施に入っている。通貨政策も、インドが先月に続き、2回連続で基準金利を引き上げており、オーストラリアは昨年10月以降、5回も基準金利の引き上げに踏み切った。6月のG20首脳会議の主催国であるカナダも、上半期中に基準金利の引き上げに踏み切る見込みだ。

民間でも、基準金利引き上げを巡る議論が活発化している。全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院は最近、基準金利の引き上げ時期を繰り上げるべきだと主張した。国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)は先月、「現時点で、基準金利を引き上げるべきだ」と主張した。一部の専門家らの間では、「すでに金利引き上げの時機を逸した。第1四半期中に少しでも引き上げるべきだった」という主張も出ている。

●韓銀、主導権を失い、右往左往

通貨政策を決定する韓銀は、いまだに方向を定めずにいる。ある経済研究所の専門家は、「韓銀は昨年末から、通貨政策を巡り、政府の機嫌ばかり気を取られ、自分の主張をはっきり打ち出すことができず、今や完全に政府に主導権を奪われた」とし、「事実上、韓銀ではなく、政府が通貨政策を仕切っているのが現状だ」と皮肉った。

特に、金仲秀(キム・ジュンス)総裁の就任後、「二番底(景気回復後の再低迷)の可能性をチェックすべきだ」、「家計負債は、危険な状況ではない」のような発言が相次ぎ、市場に混乱を招いたという指摘も受けている。韓銀は、昨年から二番底の可能性は事実上ないと診断しており、家計負債を韓国経済の最大の危険要因と取り上げたが、新首長は全く異なる意見を出しているのである。

金チャンベ韓国経済研究院・研究委員は、「人為的に低金利を長引かせることになれば、資源の有効な配分を食い止め、企業にも不利に働くことになり、政府と韓銀は今からでも金利引き上げのシグナルを発する必要がある」と話した。



jaeyuna@donga.com jaeyuna@donga.com