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[オピニオン]5000ウォンの昼食

Posted October. 16, 2009 08:22,   

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80年代半ばまでは、学生の弁当は、家庭の暮らしを知ることができるショーウインドウだった。学校に弁当を持ってくるか、持ってこないかだけでなく、弁当を持ってきても、どのようなご飯とおかずが入っているかによって、生活レベルが分かれた。白飯に玉子焼き、肉のしょう油煮が入った弁当は最上級だった。春窮期を経験した50代以上の世代には、昼休みは水で空腹を満たし、学校の裏山や運動場をうろついた思い出がある人もいるだろう。

◆「点心」という言葉は、本来1日2食が基本だった中国で、空腹を「心に点をつけて、しのいだ」とか、「簡単な食べ物」という意味で使われた。会社員が昼食をサンドイッチや弁当で済ませたり、職場近くのカフェや食堂で済ませるようになったのは、産業化時代の産物だ。職場と家が遠く離れ、長時間の勤務が一般化し、朝食と夕食の間の空腹を解決する新たな昼食文化が生まれたのだ。

◆会社員にとって、昼食は余裕と会話を楽しむ機会だが、時にはメニューの選択や料金で悩む。ソウルの都心や江南(カンナム)では、5000ウォン以下の昼食メニューを見つけることは、容易ではない。賃貸料が高いソウル都心の飲食店で、5000ウォン以下の料理は、使う食材が国産よりも中国産だったり、おかずを再利用する業者の可能性がある。社員福利で、運営する社員食堂でなければ、少なくとも6000ウォンは基本だ。このため、公共機関や別の会社の社員食堂を利用する会社員も少なくない。

◆李在五(イ・ジェオ)国民権益委員長が、「1日1現場訪問」を方針に、わずか15日間で18ヵ所の民生現場を回り、関心を引いている。李委員長は最近、「5000ウォンの昼食が、中道実用の親庶民政策」だとか、「公職者クリーン度の結果を公開する」という発言で論議を呼んだ。一部で、「最近は(韓国風)うどんも6000ウォンであり、非現実的な話だ」とか、「意気込みすぎだ」という見解もある。ホテルや高級レストランでは、ワインをつければ1人当たり10万ウォンを超える昼食メニューも多い。5000ウォンという金額に執着するのではなく、国家予算で昼食をしながら、あまり豪華に食べるなという意味なら、あえてけちをつける理由はないだろう。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員maypole@donga.com