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国際機関の日本人トップ、財政力背景にした民官合同総力外交の結実

国際機関の日本人トップ、財政力背景にした民官合同総力外交の結実

Posted July. 06, 2009 08:21,   

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日本が、「世界の核の番人」と呼ばれる国際原子力機関(IAEA)の事務総長を輩出したのは、世界第2位の経済力と豊かな海外の人的資源、外交システムの結果の賜物だ。ユネスコ事務総長をはじめ、国際司法裁判所、国際エネルギー機関、アジア開発銀行などの国際機関のトップの座を占めた背景には、長期的かつ緻密な外交戦略がある。

●国際機関に広く布陣した人的資源

日本は、57年に国連職員第1号を輩出して以来、幅広く国際機関の人材を養成してきた。明石康氏は、その後40年間にわたって国連に勤め、広報担当事務次長などの要職を歴任した。緒方貞子氏は、68年に国連日本代表顧問に就き、長く国連経験を積んだ末、91年から10年間、難民高等弁務官を務めた。

10年間、ユネスコ事務総長を務めている松浦晃一郎氏は、50年間、外交現場で活躍する現役だ。IAEA事務総長に選ばれた天野之弥氏は、軍縮と非拡散、原子力業務を重点的に担うなど、政府レベルの経歴管理の形跡がうかがえる。経済力が大きくなるにつれ、多くの人材が国際機関に進出し、今は中堅幹部に成長しており、今も国際機関に進む日本人が絶えない。

●人的資源、財政、バックアップの三拍子

縦横に広がる厚い人脈を基盤にした総力外交も注目される。北朝鮮の核問題のため、IAEA事務総長の座を狙っていた日本は、麻生太郎首相まで乗り出し、全方位で動いた。日本は、発展途上国に対して様々な「ニンジン」を提示し、得票活動を支援した。

民官合同外交も強みだ。外務省の「海外進出企業支援基本方針」は、「公館と企業が日本のブランド価値を高めるための協力体制を強化する。現地での情報提供、人脈形成に協力する」と明示している。

外務省本部の職員は2200人で、在外公館は3300人だ。それぞれ900人と1100人レベルの韓国の3倍近い規模だ。今年の外務省の予算は6700億円。このうち国際社会に有償・無償の支援をする政府開発援助(ODA)は4363億円だ。国連など、国際機関分担金の規模(約1000億円)も、米国に続いて2番目だ。このように高い貢献度を名分に、国際社会での発言権の拡大に地道に努めてきた。

07年の国連本部や傘下機関の専門職の日本人は108人で、米国、ドイツなどに続き世界第5位。日本は、これを300人に増やすために、政府に「国際機関人事センター」を設置して組織的な採用支援をするなど、政府レベルで対処している。国連機関のボランティアも100人を上回る。

IAEA事務総長の選挙が予定された今年は、軍縮と非拡散、原子力の平和利用の関連予算に160億円を策定する戦略的支出が目につく。選挙直後には、原子力発電の技術を国際社会に提供するという意思を表明するなど、緻密なバックアップシステムを稼動し、效率的に動いている。

●安保理常任理事国入りへの長期戦略

日本外交の最大の目標の一つは、国連安全保障理事会常任理事国入りだ。国力にふさわしい国際社会での地位と発言権を確保するということだ。度々安保理拡大を主張するのもこのためだ。常任理事国である英国とフランスはすでに味方で、米国も友好的だ。国際機関の長を順に占めたことは、周囲固めの戦略とみえる。

日本が今年、トンガ、ラトビア、グルジア、ブルキナファソに大使館を新設するなど、在外公館の拡張に乗り出したのも、国際的な影響力拡大を念頭に置いたものだ。



jkmas@donga.com