Go to contents

真っ白の桜が降りそそぐ

Posted April. 14, 2005 23:35,   

한국어

●遅れても花を咲かさない春はない。

「春来不似春」といわれるが、この春ほどこの言葉が実感できることもめずらしい。南の桜祭りは満開の花を見る前に終わり、桜祭りの元祖各である鎮海(チンヘ)でもきれいな桜の花ではなく、お詫びの言葉で祭りの幕を開けたくらいだ。南からの花便りは今週明けになってやっと届いているが、それも全国のあちこち順番なく咲き始め、南の鰕洞(ハドン)双磎寺(サンゲサ)とソウルの如矣島(ヨイド)で同時に桜が満開するというおかしい春となっている。

しかし、ありのままが自然で、それに従うのが生きるうえでの知恵となる。さらにこうした変化が、宇宙の万物の中で自然の営みに逆らう唯一の存在の人間の仕業によってもたらされたものであることを考えると、自然を嘆くことはない。素直に与えられたまま、ありのままを受け入れる謙遜さをまず身につけることが道理だ。開花が遅れることはあっても花が咲かないことはないから。

南蟾津江(ナムソムジンガン)は年中いつ訪れてもいい。きめ細かい砂浜と青い川水が織り成す景色がきれいで、雄大な智異山(チリサン)を回るようにして流れるゆったりした姿もいい。その川を眺めていると、世知辛い世の中に立っていた心の角が取れて穏やかになる気がする。それがただ自分に限ることではないだろう。

車を走らせ大田統営(テジョン・トンヨン)高速道路に入った。半島の中央を南北に走るこの道は、首都圏から智異山へのアクセスに優れている。長寿(チャンス)インターチェンジから降りて19番国道に入った。南園(ナムウォン)を通って求礼(クレ)まで行って、蟾津江沿いで鰕洞まで走るつもりだった。智異山のサンシュユ村、蟾津江梅村、双磎寺の十里桜並木道が全部見られる最高のルートだ。

しかし、ここで見逃しがちなものがある。春の蟾津江の桜並木道だ。春らしい陽気の午後、雪のように真っ白な桜の花が咲き乱れている川沿いを車で走る気持ち。今の春を満喫するには申し分ない。

求礼郡のサンドン面、マサン面、クァイ面を通り過ぎてトジ面に着く直前、右側に蟾津江が姿を現す。続いて現われるアーチ型の南道大橋。昔から慶尚南道鰕洞の地だ。南道大橋前の花開(ファゲ)チャントを左に曲がって渓谷沿いの道(1023番地方道)に入る。右側の花開川に沿って満開した桜の木が、花のトンネルをつくるこの道は、双磎寺につながる「十里桜並木道」だ。寺前の橋(新村橋)で渓谷を渡って向かいの道路を下る。ここにもきれいな桜が道を飾る。花開チャントを過ぎると南道大橋。蟾津江渡って求礼に向かう。橋の先には19番国道のように蟾津江に沿う861番地方道がある。求礼と広陽(クァンヤン)を結ぶ道だ。

●桜の花がトンネルをつくる最高のドライブコース

三叉路で右折し求礼に向かう。19番国道とは違って車の通りが少なく、のどやかだ。桜並木が続き、桜を楽しむドライブには最高だ。しかし、うっとりするにはまだ早い。もう少し進むと、道に立ち並ぶ桜を楽しみながら、蟾津江沿いを走ることができる。最初のテピョン村三叉路を右折すれば、「ムンチョク・ソソンアム」方面に続く861番道路に入ることになる。

この周辺はカワウソが生息している。その案内の標識を過ぎると、鰕洞より開花が遅い桜の並木道が広がる。右側はきれいな蟾津江が、正面はトンネルをなした真っ白の桜の並木が続く。テピョン村からオサンを経てソソンアムの入口まで9.5キロだ。

途中、華やかに花を咲かせた数百年の巨木が、陰をつくる三叉路に止まると、道端の塀から桜の咲いている庭の「五鳳精舍(ボンジョンサ)」という古い家屋が見える。朝鮮時代後期、崔益鉉(チェ・イクヒョン)先生について南園で義兵を率いた義士の林顕周(イム・ヒョンジュ)先生が、後学を育てていたところだ。古家から春の風情が感じられる。

蟾津江に沿う桜並木道はソソンアム入口で終わる。しかし、寂しく思わなくていい。つながっている狭い道を走って川の橋を渡って求礼地区に行く。そこで17番国道でコクソン邑に向かおう。もう一度、蟾津江のドライブが満喫できる。

◆美味しい店〓「黒豚の腸詰め」店の腸詰めククパプ(4000ウォン)や腸詰め(6000ウォン)は智異山の黒豚で作り、あっさりした味が特長だ。19番国道のノンシル三叉路(88高速道路の南長寿インターチェンジ入口)のサービスエリア(063−6002〜3、南園市ポンアム面)にある。



summer@donga.com