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[社説]陸軍出身の次期駐中国大使、G2時代の適任者なのか

[社説]陸軍出身の次期駐中国大使、G2時代の適任者なのか

Posted February. 16, 2015 07:22,   

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陸軍出身の金章洙(キム・ジャンス)前大統領国家安保室長が次の駐中国大使に内定した。昨年、セウォル号沈没事故で、「国家安保室は災害コントロールタワーではない」という責任回避発言をして事実上更迭された彼が、G2大使として再登場したのは意外だ。中国通でもなく、外交の専門性を備えていると見られないため、野党新政治民主連合は「円滑な韓中関係の適任者なのか疑問だ」として人選の再考を求めた。

1992年8月の韓中国交正常化以降、軍出身者が駐中国大使を担うのも初めてで、国防部長官を務めた人物が、米国、日本、中国、ロシア4強の大使を務めるのも金氏が初めてだ。軍と外交は対外的に国益を守るチャンネルだが、職分の性格と方法論は大きく異なる。金氏が、朴槿恵(パク・クンヘ)政府の最初の外交安保指令塔を務めたとしても、元来は武骨であるため、外交現場で要求される柔軟性と戦略的手腕まで備えているのか検証されていない。にもかかわらず政府が金氏を北京に送るのは、韓中関係で安保協力の重要性が大きくなったためだろう。

韓中関係が経済協力では良好だといっても、安保の面では米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で暗雲が立ち込めている。習近平主席が昨年7月の訪韓で、朴大統領に直接反対の考えを伝え、最近ソウルに来た常万全国防相も、THAADが配備されれば韓中関係が傷つくと警告した。THAADをはじめ、北朝鮮の核・ミサイルへの対処と韓半島統一などをめぐって中国の理解と協力を引き出す重責が金氏に課せられた。軍出身の金氏の韓中「安保協力」に対して米国が疑念を抱く可能性があるため、韓米同盟と韓中関係を円滑に並行発展させる精巧な戦略が重要だ。大統領の信頼があるとしても、能力がなければ負い難い役割だ。

人脈と関係を重視する中国としても、韓国の政治的状況と必要に応じて駐中国大使が頻繁に変わり、特に中国に対する理解が深くない人が来ることは有難くないだろう。過去の大使の中には、大統領の側近だったにもかかわらず、中国高官と接触せず、役割を果たせなかったと批判を受けた人もいた。金氏が専門性を積み、堅いイメージを越える戦略的マインドを持ってこそ、韓中関係の発展に貢献できるだろう。