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音楽で泣いたり笑ったりする理由、「和音」にある

音楽で泣いたり笑ったりする理由、「和音」にある

Posted April. 05, 2024 08:48,   

Updated April. 05, 2024 08:48

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音楽を聴くと心が落ち着くこともあれば悲しくなることもある。時には興奮して不安になることもある。科学者たちが音楽がこのように強い感情刺激を引き起こす理由を明らかにするために行った「ボディマッピング」の結果が公開された。音楽が心臓を含む身体感覚に影響を与え、感情を引き出すということだ。

東京大学次世代知能科学研究センターの大黒達也教授の研究チームは、音楽の和音が身体感覚を刺激し、これを基に特定の感情が引き起こされるという研究結果を4日(現地時間)、国際学術誌「iScience」に発表した。

研究チームは、音楽の様々な特徴のうち、特に不確実性と驚きが感覚および感情に大きな影響を与えると見た。まず、不確実性と驚きの強度を多様に変形させた和音進行92個を製作した。和音進行の不確実性が大きいということは、次の和音がどのように進行するか予測が難しい和音の組み合わせを意味する。

研究チームは、研究参加者527人を募集し、予測可能な和音進行で構成された音楽と、研究チームが作った不確実性と驚きを変形させた92の和音進行のうち8つをランダムに聴かせた。

各和音進行を聴いたとき、体のどの部分に感覚があったかを、各音楽を聴いた後、10秒以内に研究チームが提供したボディマップに表示するようにした。音楽を聴いたときに身体に感覚があるということは、心臓が速く鼓動する、背筋がゾクゾクするなどの変化を意味する。また、感情についても答えさせた。

研究チームが完成したボディマップを分析した結果、特定の和音進行は心臓に刺激を引き起こし、別の和音進行は腹部により多くの刺激を引き起こすことが確認された。これらの身体感覚は、個人の審美的な鑑賞や感情の変化に影響を与えた。研究チームは、不確実性と驚きが身体感覚と感情的な反応を引き出す重要な要素であるという相関関係も確認した。

特定の和音進行は、不快感、不安などのネガティブな感情を減少させる方向に審美的な感情を呼び起こし、予測可能な和音進行ほど落ち着き、安堵感、満足感、懐かしさ、共感の感情を引き出した。

研究チームは、音楽によって起こる感情の変化は体が感じる感覚の総体と評価した。音楽が体の感覚と感情に刺激を与えるということは、音楽が身体の健康および精神的な幸福度とつながることを意味すると解釈した。

個人の感情に肯定的な影響を与えることができる音楽を把握すれば、健康と幸福度を増進することができるカスタマイズされた音楽推薦サービスなどが今後登場する可能性がある。集中力を高めることができる音楽、運動に活力を与える音楽、心を落ち着かせる音楽などで個人の幸福度を高めることができるという説明だ。

大黒氏は、「今回の研究は、音楽の不確実性、予測誤謬、一時的なダイナミクス(音楽の強弱)間の複雑な相互作用が明確な身体感覚と感情を引き出すことを示した」とし、「追跡研究で心拍数の変化などの生理学的な反応と音楽がどのような関係を持つのか、より深く探求する予定」と話した。


ムン・セヨン記者 moon09@donga.com