Go to contents

小児青少年科医の気持ち

Posted March. 11, 2024 08:37,   

Updated March. 11, 2024 08:37

한국어

「小児は小さな大人ではない」(ホン・チャンウィ著「小児科学」)

小児科学教科書の冒頭を開くこの有名な一節が個人的にも大好きだ。これは小児科学の特徴を一つの文章で表すと同時に、小児科医の特別な診療に対するプライドを示しているように思えるからだ。成長・発達の途中段階にある小児は大人と同じ生理的メカニズムで動かず、また小児の体重や身長を大人に対する比率で計算して薬物の容量を減量してはならないという意味でもある。だからこそ、小児青少年科の医師たちは小さな数字にも敏感で、より細かくに子供の状態を見ているのかもしれない。

最近、これまでよく処方していた小児用薬品が品切れになったというニュースをよく耳にする。実際の診療現場でも以前とは違って、自分だけの秘法を盛り込んだ薬を処方するのが難しい。私は子供たちの薬を処方するためにチャートに「イチゴ味好き」、「粉薬飲めない」、「噛んで飲む薬よく飲む」などのメモを別途記録しておく。同じ成分でも子供たちの好みと性向を考慮して薬を処方すれば、薬を飲ませる保護者もやり易く、子供たちも拒否感なく正確な容量の薬を飲んで早く良くなることができる。成分が同じでも商品名の違う薬を処方すれば子供たちはすぐ気づく。コピー薬の効能や効果がどうだという大げさな話をしなくてもだ。そのため、子供の薬は剤形と味が多様な場合が多い。

実際、小児用薬の安定性は子供達に直接実験することができないため、成人から安定性が確保された薬物の容量を調節して投薬する場合が多かった。それで子供たちに粉薬やシロップを0.166グラムとか0.3ccといった微細な容量で処方したりしている。小児用薬が頻繁に品切れになる状況下では、このような処方が増えざるを得ない。

最近、必須医療や少子化の問題が語られるたびに、常に小児青少年科の問題と対策が提案されるが、実際の診療現場において医師と患者にとっては、小さな薬も重要な問題である可能性がある。ただ診療を受けに来る子供たちに再び子供が好きだった薬を処方してあげたいのが小児青少年科医の気持ちだ。