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[社説]三星と現代の「未来車」をめぐる協力、こういう同盟はさらに増えるべきだ

[社説]三星と現代の「未来車」をめぐる協力、こういう同盟はさらに増えるべきだ

Posted June. 09, 2023 08:28,   

Updated June. 09, 2023 08:28

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三星(サムスン)電子と現代(ヒョンデ)自動車が、車両用半導体をめぐり手を組んだ。三星電子は2025年から、現代自動車に車両用インフォテインメント(IVI)を担当する「エクシノス」半導体を供給すると明らかにした。車両の「頭脳」に該当するシステム半導体分野で、初協力の扉を開いたのだ。半導体と自動車市場でそれぞれ成功神話を書いた両社が、次世代自動車市場の先取りのために本格的に手を組んだことで意味が大きい。

今回の協力で、両社とも未来自動車時代の主要競争力を確保する足掛かりを用意した。自動運転車のコアである車両用半導体市場は、2029年末に1430億ドルまで成長すると予想される有望市場となっている。この分野の後発走者である三星電子は、現代自動車という大手顧客会社を確保し、事業競争力を高めることができるようになった。現代自動車も、半導体の設計から生産まで全てが可能な三星電子を通じて、安定的なサプライチェーンを確保できる。

かつて、韓国国内の代表企業は、事業拡張の過程で激しく牽制し競争してきた。しかし、主要企業のトップらの世代交代後は、未来の成長エンジンの確保のためなら、積極的に戦略的提携関係を結んでいる。現代自動車は、北米の電気自動車の需要に対応するため、SKオンやLGエネルギーソリューションと相次いで米国にバッテリー合弁工場を建設することにした。三星電子は、10年ぶりに市場への再進出を宣言した有機発光ダイオード(OLED)テレビ事業のため、LGディスプレイと手を組んだ。ネイバーとは、人工知能(AI)半導体を一緒に作っている。

米中対立とサプライチェーンの再編の流れの中で、世界各国も企業間、国家間の合従連衡が活発だ。日本は、自国が代表する企業が集まって「半導体ドリームチーム」を立ち上げ、米インテルは、かつてのライバル相手である英ARMとファウンドリ(半導体の受託生産)同盟を結んだ。米国のフォードは中国のCATLと手を組むなど、必要ならば「敵との共寝」も厭わない。グローバル半導体サプライチェーンの再編をめぐって、生産優位を占めようとする世界主要国政府の補助金競争が激しい。

このような無限競争の状況で、半導体や未来自動車、バッテリーなどの先端産業分野において、国内企業が力を合わせて「ドリームチーム」を作れば、相当なシナジー効果を発揮できる。このような協力が成功モデルにつながるためには、企業を一人で走らせてはならない。研究開発や投資拡大、人材育成などのための法的、制度的後押しがスピード感を持って続かなければならない。国家総力戦の様相を帯びている先端技術戦争の成否は、「コリアワンチーム」の意志と能力が決定するだろう。