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黄金時代の終末

Posted December. 27, 2022 08:51,   

Updated December. 27, 2022 08:54

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「20世紀の間、ヨーロッパは地獄の淵から蘇った」。20世紀のヨーロッパ100年のパノラマを書いた英国の歴史家イアン・カーショーは、著書『地獄の淵から:ヨーロッパ史1914-1949』でこう語った。彼が、20世紀のヨーロッパ史で注目するテーマの一つは「黄金時代に対する執着」だ。19世紀から20世紀に移行する時の人類の期待は、20世紀から21世紀に移行した時のニュー・ミレニアムに決して劣らなかった。

実際には、黄金時代ではなく噴火直前の時期だった。戦争が目と鼻の先に迫っていた。国際社会、経済、階級の対立はすでに爆発しており、戦争を予言する知識人も少なくなかったが、19世紀末の時代を黄金時代と理解し、この黄金時代が続くという信頼に誰も打ち勝つことができなかった。

さらに、第一次世界大戦が終わった後も、黄金時代が虚像だったことを悟るどころか、黄金時代に対する思い入れがより強くなった。人々はなぜ世界が地獄に変わったのかを分析するよりも、地獄の向こうの世界を美しい思い出、理想郷として残したいと思った。この甘い思い出の対価は大きかった。一世代も経たずに、ヨーロッパは再び世界大戦に飲み込まれる。勝者も敗者も無一文に転落した。

歴史を見ると、人類は未来を予測できなかったことがない。何であれ結局は自分たちの手で作り出したものなのだから。人類史の禍は、予測できなかったからではなく、背を向けた(目を背けた)ために発生する。

2022年も残すところあと数日となった。一年を終え、美しかったことを記憶し、より美しい未来を語ることが人間の道理かもしれない。しかし、21世紀が始まり、第1次世界大戦と第2次世界大戦の間ほどの時間をかけて私たちが到達したのは、黄金の園ではなく、21世紀が通過しなければならない鋼鉄の渓谷の入り口だ。

100年、または一世代ごとに直面するこのような歴史の試験台は、真実の口のようだ。似非知識人、卑劣な政治家の偽りと扇動に打ち勝ち、冷静に現実に対応する集団だけが壁の向こうで笑うことができる。