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強まる「ビッグステップ」の影響、経済運用計画を原点から練り直せ

強まる「ビッグステップ」の影響、経済運用計画を原点から練り直せ

Posted May. 11, 2022 08:58,   

Updated May. 11, 2022 08:58

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米国の金融引き締めで、ニューヨーク株式市場が1年ぶりの低い水準に暴落したのに続き、昨日は韓国総合株価指数も2600台を割り込み、17ヵ月ぶりの安値を記録した。今月4日に米連邦準備制度理事会(FRB)が基準金利を0.5%幅引き上げてから韓米両国の株価市場は乱高下を繰り返したが、ここにきて下落幅を拡大する展開となっている。米国が急激な量的引き締めを意味する「ビッグステップ」に乗り出し、時差を置いて次々と副作用を起こしている。

実体経済のバロメーターと言える株式市場が暴落するのは、全世界に迫った複合危機が簡単に解消されないという不安感が働いたからだ。新型コロナとウクライナ戦争にともなうサプライチェーンの毀損と原材料価格の高騰は、インフレの拡大や金利高騰、負債増加、成長率下落につながらざるを得ない。

内需規模が小さく、輸出依存度の高い韓国は、財政で成長を支えると物価が上がり、物価を抑えるために金利を大幅に引き上げると、不況が懸念されるジレンマに陥っている。にもかかわらず、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相は、物価を刺激しかねない大規模な補正予算案を新政権初の閣議に提出する予定だ。韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が先月、「ウォンの切り下げ幅は大きくない」と発言後、ウォン安が急激に進み、資本流出の懸念が高まっている。経済政策のコントロールタワーと通貨当局の首長が、複合危機にふさわしい総合的な対応をしているのか疑問だ。

新経済チームは危機を直視し、経済のファンタメンタルの点検に乗り出さなければならない。当局者らは、基礎体力がしっかりしているとはいえ、経済の柱ともいえる貿易収支は、今年に入って66億ドルの赤字であり、消費者物価の上昇率は13年半ぶりの最高値を記録した。経済のパイを拡大し、雇用を増やす好循環の輪も崩れて久しい。このような現実とは異なり、今の経済政策の方向性は、グローバル景気が良好だという楽観論を前提に作ったものだ。故障した成長エンジンを交換する改革課題を中心に、経済政策の設計図を描き直す時だ。