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北朝鮮がミサイル発射を「偵察衛星開発のための試験」と主張、「偽装戦術」の疑い

北朝鮮がミサイル発射を「偵察衛星開発のための試験」と主張、「偽装戦術」の疑い

Posted March. 01, 2022 08:33,   

Updated March. 01, 2022 08:33

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北朝鮮が28日、平壌(ピョンヤン)付近から27日に発射した準中距離弾道ミサイル(MRBM)を「偵察衛星開発のための重要な試験」と主張した。偵察衛星に装着するカメラの撮影と転送システム、姿勢制御装置の特性や動作の正確性を実証したとしている。また、ミサイルに装着したカメラで撮影した地球を公開した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨年1月、極超音速ミサイル、戦術核と共に軍事偵察衛星の開発を指示していた。

 

しかし、テスト方式などを見ると、北朝鮮の主張をそのまま信じることはできないと専門家たちは指摘する。北朝鮮が発射したミサイルの急激な放物線軌道(頂点高度620キロ、飛翔距離300キロ)は科学研究のための「観測ロケット」と非常に似ている。観測ロケットは、超高層大気(100キロ)以上の紫外線・赤外線・重力の研究などに活用される。韓国航空大学の張泳根(チャン・ヨングン)教授は「弾道ミサイルに衛星用カメラを装着してこのような方式で性能をテストする事例はない」と指摘した。

北朝鮮が公開した写真の解像度も粗悪だ。1月30日に中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星(ファソン)12」の高角発射時に撮影された写真と似た高度と構図で韓半島の全景を撮影したにすぎない。軍関係者は、「偵察衛星用カメラの解像度は約50センチ」とし、「このような水準の解像度は、軍事的価値がほとんどない」と指摘した。

このため、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射のモラトリアム(一時停止)宣言の破棄を示唆した北朝鮮が、事実上のICBMである長距離ロケット挑発の大義名分にする狙いがあるとみられている。110年を迎える故金日成(キム・イルソン)主席の生誕(4月15日)に合わせて、偵察衛星の発射として長距離ロケットの挑発を強行する可能性があるということだ。政府消息筋は、「衛星に対する平和的使用権利を掲げ、ICBM級推進体を発射する場合、モラトリアム違反と見ることが難しいことを利用し、国際社会の反応を見るという戦略の可能性もある」と話した。

一部では、北朝鮮が有事に核を搭載した準中距離以上の弾道ミサイルを高角発射し、ソウルなど首都圏の100キロ以上の高度で爆発させ、核電磁パルス(EMP)攻撃を加えるシナリオをテストするのではないかという観測も流れている。


申晋宇 niceshin@donga.com · 尹相虎 ysh1005@donga.com