トランプ氏がサウジから受け取った贈り物はフェイク

中東の親米国家サウジアラビアがトランプ前米大統領に贈った毛皮の衣類、取っ手が象牙の短剣などがすべてにせ物だったことが明らかになった。米紙ニューヨーク・タイムズは１１日、トランプ政権の高官が外国政府から受け取った贈り物の管理状況を監督し、このような事実が確認されたと報じた。

サウジ政府は、トランプ氏が就任４ヵ月後の２０１７年５月にサウジを訪問した際、８２点の贈り物を渡した。女性用スカーフ、サンダル、靴、白虎とチーターの毛皮で作られた衣類３点、取っ手が象牙の短剣などが含まれた。

当時もホワイトハウス法務チームは、白虎の毛皮で作られた衣類と象牙の短剣が「絶滅危惧種保護法」に抵触する素地があると判断した。しかし、トランプ氏は退任直前までこの贈り物を連邦総務庁に申告しなかった。ホワイトハウスは、トランプ氏の退任直前の今年１月１９日に毛皮の衣類と象牙の短剣を連邦総務庁に移管した。これは、今夏に絶滅危惧種保護法違反の有無を確認するために魚類野生生物局（ＦＷＳ）に移された。

ＦＷＳが贈り物が違法かどうかを調査し、毛皮は虎の皮の模様が染色されたにせ物で象牙も動物の骨成分が混ざった模造品であることが明らかになった。サウジ側が贈り物を渡す時に、にせ物と分かっていたのかは確認されていない。下院の倫理担当法務責任者を務めたスタンリー・ブランド弁護士は、「無関心であれ、粗雑な業務処理であれ、今回のことは政府手続きと法に対する態度に問題があることを示している」と批判した。

国務省監察官室はこれに先立ち、トランプ政権の要人らが受け取った贈り物に対しても調査を進めてきた。ポムペオ前国務長官が日本から贈られた後に消えた５８００ドルのウイスキーは行方不明だ。ボルトン元大統領補佐官（国家安全保障担当）もベトナムから２２カラットの金貨と陶磁器の皿を贈られたという記録があるが、どこにあるのか確認されていない。ペンス前副大統領のカレン夫人は２０１８年のシンガポール訪問時、李顕龍首相から２個の金色の名刺財布を贈られたが、贈り物上限ライン（４１５ドル）を超える場合は代価を支払わなければならないという規定を守らなかった。


ワシントン＝イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com