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32年ぶりの高い増加率を示した輸出にも雇用はバイトだけが増えている

32年ぶりの高い増加率を示した輸出にも雇用はバイトだけが増えている

Posted June. 02, 2021 08:17,   

Updated June. 02, 2021 08:17

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先月の輸出額は507億3100万ドルで、前年同期比45.6%伸びた。関税庁によると、1988年に52.6%伸びて以来、32年9ヵ月ぶりの高い増加率だという。これを反映して、経済協力開発機構(OECD)は5月31日(現地時間)、今年の韓国経済成長率の予測値を2ヵ月ぶりに0.5ポイント引き上げて3.8%に修正した。しかし雇用部門では、「官制バイト」だけが増え、経済の中枢である30代や40代の雇用が減少し続けているのが現状だ。コア労働階層が雇用市場から疎外される構造的矛盾が定着する懸念が高まったと見なければならない。

輸出額は7ヵ月連続で増加したが、2ヵ月連続で伸び率が40%を超えるのは史上初めてのことだ。半導体、自動車などの主力品目が、基底効果を越える成果を出している。このような増加傾向は、雇用指標にも反映されるのが正常だ。しかし、現実は逆の方向に進んでいる。良質の雇用は減り、雇用情勢は悪化した。企業評価会社CEOスコアによると、今年第1四半期の大企業309社の正社員数は1万1710人減少した。4月に就業者は小幅に増えたが、30代や40代の雇用は減少し、青年失業も改善の兆しを見せていない。

雇用を創出すべき企業は、海外に流出している。国会予算政策処によると、この7年間、海外に設立された法人数は2万2000社を超えたが、韓国内に戻ってきた企業は84社に過ぎなかった。国内の看板企業は、韓米首脳会談期間中に44兆ウォン規模の米国現地投資を発表した。グローバル戦略による決定だが、国内投資や雇用の余力が減ることは避けられないと見るべきだ。

政府は、2014年からいわゆる「Uターン法」を施行し、海外に出た企業の国内復帰に乗り出した。しかし、支援策は国有地の賃貸に便宜を与え、一部の補助金を支給するのにとどまっている。高いレベルの法人税や労働、環境規制は依然変わっていないので、いくつかの支援策で企業が戻ってくるのは難しい。全経連によると、海外に進出した売上上位企業1000社のうち、国内復帰に関心のある企業は3%に過ぎないほどだ。

監査院が先月31日に発表した「中長期財政管理制度の運営実態」によると、雇用保険の赤字は今後5年間で19兆ウォンに迫る。失業手当に耐えるレベルを超えているという意味だ。にもかかわらず、政府は税金で作った雇用を増やし、雇用環境を整えることには関心がなさそうだ。政界でも、来年の大統領選挙を控え、雇用議論は見当たらない。現金をばら撒くための努力の半分だけでも雇用創出につぎ込むなら、雇用問題は今よりは改善されるだろう。