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バイデン氏「ワクチンの余裕ない」、「韓米スワップ」望み薄

バイデン氏「ワクチンの余裕ない」、「韓米スワップ」望み薄

Posted April. 23, 2021 08:09,   

Updated April. 23, 2021 08:09

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バイデン米大統領が21日(現地時間)、米国が保有する新型コロナウイルスワクチンを他国に渡せるほど十分でないとし、米国内の接種に集中すると明らかにした。ワクチンが不足している韓国政府が米国に「ワクチンスワップ」を要請したと伝えられた翌日、バイデン氏がこれを事実上拒否したという見方が出ている。

バイデン氏は同日、ワクチン接種の成果を説明するホワイトハウスでの演説で、海外のワクチン共有に関する取材陣の質問に、「私たちが中央アメリカはじめ他国を助けることができると確信するが、今はワクチンを渡せるほど十分に保有していない」と述べた。また「ワクチンを送っても、安全性を確実にしなければならない」と付け加えた。

米国務省のプライス報道官も21日、記者会見で、韓国が提案したワクチンスワップを米政府が考慮しているのか尋ねられ、「この懸案に関して、韓国や他国との非公開の外交対話については言及しない」としながらも、「国内のワクチン接種に焦点を合わせており、米国人に対してそうする義務がある」と答えた。

バイデン政権が、韓国のワクチンスワップの提案を事実上断った背景には、ワクチン供給問題のほかに外交安保状況に対する判断があるという見方もある。米国が中国を牽制するために構築した「QUAD(クアッド)」と呼ばれる米国、日本、オーストラリア、インド4ヵ国協力体に参加していない韓国に対する圧力、または「懐柔」の狙いがあるということだ。日本は、菅義偉首相がバイデン氏とホワイトハウス首脳会談を行った翌日(17日)、米製薬会社ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)からワクチン5千万回分の追加供給の約束を取りつけた。

これに対して、大統領府関係者は22日、「バイデン氏の発言は自国民に向けたもの」とし、「新型コロナウイルスが深刻な米国内の状況を考慮した」と話した。別の大統領府関係者は「ワクチンスワップのほかにも様々なルートを通じてワクチン確保に向けて努力している」と述べた。

国内の専門家たちは、新型コロナウイルスの再流行とワクチン供給に変数が多いため、動員可能なあらゆる方法を模索しなければならないと指摘した。例えば、追加金を渡しても導入時期を繰り上げたり、すでにワクチンを多量に確保し接種率が高いイスラエルなどから余裕分を導入する必要があるということだ。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 クォン・オヒョク記者 lightee@donga.com