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カヤグムの音がカンヌ短編映画祭を虜にする

カヤグムの音がカンヌ短編映画祭を虜にする

Posted September. 15, 2020 08:26,   

Updated September. 15, 2020 08:26

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廊下に置かれた長い椅子。カヤグム演奏者たちが順番に横になってから離れた椅子の上に、黒の演奏服姿の作曲家が横になる。何か思い出したようにいきなり立ち上がった彼は、長い楽譜を広げて読む。やがて演奏者たちが楽器を手にして、廊下を通って階段の下の森にたどりつき、真っ暗な夜を背景に演奏が始まる…。

ソウル大学現代音楽プラットフォーム「スタジオ2021」が製作した12分のプロモーションビデオ「ゴダSimmering」の内容だ。映像を通して聞こえてくる3台のカヤグムの演奏は、学生作曲家・ファン・ジェイン氏(ソウル大学作曲科4年生)の作品。演出はペルマグヌス・リンドボリ元ソウル大学作曲科教授が引き受け、国楽科修士課程の学生で構成された「ソウル・カヤグム・アンサンブル」が演奏した。

ファン・ジェイン氏のカヤグム曲とタイトルが同じのこの映像は、8月にカンヌ短編映画祭(カンヌ映画祭とは異なる映画祭)で、「オフィシャル・セレクション」に選ばれた。5月にシンガポール世界フィルムカーニバルでは、プロモーションビデオ賞とデビュー映画賞を受賞し、7月にインディX映画祭で、最高のプロモーションビデオ賞にノミネートされるなど、いくつかの映画祭で注目を浴びた。

曲を書いて映像の中の「作曲家」を演じたファン・ジェイン氏は、「当初、映像化を念頭に置いて作曲した曲ではなかった」と語った。彼は、「映像に出てくる神経質な作曲家とあまり似てはいないが、作曲専攻者として創作の苦しみと痛みを映像化した内容が気に入った」と明らかにした。

曲のタイトルである「ゴダ」は、「肉や骨などをじっくり煮詰める」という意味。ファン・ジェインは、「静かなことから複雑に進行して、材料はうわべだけが残る『ゴヌン(煮詰める)』プロセスを音楽的に表現した曲だ」と説明した。

この作品は、映像に一緒に出演したソウル・カヤグム・アンサンブルのために10日間で書き上げた。記者が「耳に難なく届く」と話したところ、「韓国音楽という特性を強調するよりは、カヤグムという楽器が持つ特徴をいろいろ活用することに焦点を合わせた」と答えた。彼は、豫園(イェウォン)学校とソウル芸術高校で西洋音楽の作曲を専攻し、韓国芸術総合学校・英才院で奚琴を専攻した。ソウル大学でも奚琴を複数専攻として勉強している。

今回の映像の音楽として使われた「ゴダSimmering」は、スタジオ2021が製作しているアルバム「新しい音楽コミュニティのために」に他の作品と一緒に収録する予定だ。

この映像の総監督を務めたイ・シンウ・ソウル大学作曲科教授(スタジオ2021芸術監督)は、「最近、創作音楽界はプロモーションビデオなど、大衆に近付く新しいコミュニケーションのチャンネルでアクセスしている。学生と教授陣がコラボレーションした結果、このようなチャネルを通じて認められたことに意味がある」と語った。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com