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戦争も休む5月

Posted May. 19, 2020 08:22,   

Updated May. 19, 2020 08:22

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5月は新緑の季節である。春を感じさせる兆しがいくつかある。3月末頃はまだ青白い大地の上で触れられる暖かさ、月光の下で白く咲いた桜、韓末に朝鮮を訪問したハルバートは、韓国人たちはレンギョウ、桜のように葉が出る前に咲く花が好きだと話した。長い冬の間、春を待っていたので、誰よりも早く咲く花が好きになったようだ。しかし、筆者は春雨の後、水分を含んだ葉の新鮮な光を最も好む。

正確な統計記録はないが、戦争史の観点から見れば、5月は、戦争の恐れが一番少ない月だったのだ。北方遊牧民族は収穫シーズンに襲う。「天高たかく馬肥ゆる」は、秋を象徴する故事成語となったが、元々は、秋になると辺境の遊牧民族が攻めてくる時が来たことを意味した。長距離遠征は冬を利用するが、通常は1月が過ぎれば帰っていく。旧暦2月になれば、故郷に帰って生業に従事しなければならないからだ。倭寇は季節を問わず侵略した。朝鮮王朝実録を見れば、旧暦4、5月に倭寇の侵入があった事例が結構ある。しかし、倭寇の侵入が一番旺盛な時期は、11月から2月の間の冬かむしろ7月と8月だった。やはり収穫シーズン以降を狙う理由もあり、モンスーンの影響もあったようだ。

常備軍が豊富で、国の財政が豊かな国は、このような季節的要因にこだわらなかった。古代は、このような国が多くなかったが、近現代にきて常時戦争が可能な国が増えた。国富が増大し、科学技術が発達すれば、人類の幸福への期待も高まるが、予期せぬ戦争のリスクも一緒に高まる。文明の逆説だ。1950年5月、日本は全世界の米軍駐屯地の中でも最も快適な場所だった。兵士たちは訓練よりズボンにアイロンをかけることにより多くの時間を費やした。一ヶ月後、彼らは、猛暑の中の戦闘に投入される運命だったが、全く知らなかった。戦争を防止するための最善の方法は、戦争が起こらないだろうという理由と期待を消すことだ。

歴史学者