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「プレス、スピード…」ベント監督戦術の進化は現在進行形

「プレス、スピード…」ベント監督戦術の進化は現在進行形

Posted December. 29, 2018 08:42,   

Updated December. 29, 2018 08:42

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「ワールドカップ(W杯)での好成績が目標なら、それに見合った時間を私に与えてなければならない。W杯以降の結果は、私が責任を負う。私に対する評価が行われるタイミングは、次のW杯であるべきだ」

大韓サッカー協会の金判坤(キム・パンゴン)国家代表監督選任委員長(49)が今年8月、パウロ・ベント監督(49)をインタビューした時のベント氏の言葉だ。「毒の入った聖杯」と言われる韓国代表監督を引き受けたが、時間を与えられなければならないということだった。ベント氏がポルトガル代表(2010~2014年)、オリンピアコスFC(ギリシャ=2016~2017年)、重慶力帆(中国=2018年)を指導していた時の試合映像を検討した金委員長は、20人余りのに絞られた候補のうちベント氏を最終候補に選んだ。

26日、ソウル鍾路区新門路(チョンノグ・シンムンロ)にあるサッカー会館で取材に応じた金委員長は、「高い位置から強いプレスをかけることで相手のミスを誘発する守備戦術を駆使するところが印象的だった」と話した。金委員長は、ベント監督に2022年のカタールW杯まで時間を与えて契約を進めた。

金委員長はベント監督が韓国サッカーに最適の指導者だと評価している。ベント監督は、素早い攻守の切り替えと強いプレスで試合の主導権を掴むサッカーを追求する。これは、協会がが希望していた指導スタイルとも一致した。金委員長は、「監督候補選びに先立ち、『積極的に試合を支配する』を、韓国サッカーの方向性に固めた。その後、監督候補たちの試合を検討していく中で、ベント氏が私たちが決めた方向性に合う人物だと判断した」と語った。

ベント監督選任を発表する際、一部ではベント監督が成績不振で重慶から退いたことに懸念を示した。だが、試合映像を詳しく分析した金委員長の考えは違った。金委員長は、「ベント監督はポルトガルを采配する時よりオリンピアコスを指導した時、より積極的に試合に臨んだ。中国で失敗したと受け止める人もいるけど、就任初期の試合を見ると、オリンピアコス時代より攻撃の展開や守備でのプレスなどが進化していた。再起への意欲もあるし、試合内容においても継続して進化している指揮官だった」と強調した。

金委員長は、過去とは違い、代表チーム運営の過程に積極的に関わっている。国際Aマッチ期間が終わると、ベント監督から試合の準備からレビューまでをまとめた報告書を受け取ってフィードバックをしている。持続的に結果を評価し、代表チームの運営をチェックしているのだ。監督に全ての責任を委ねては、成績が振るわないと解任するような「これまでのやり方」からの脱却を図っているのだ。

ベント監督就任以降、代表チームは無敗行進(3勝3分け)を続けている。金委員長は、「ウルグアイなど強豪との親善試合を控えては不安もあった。私も一緒にテストを受ける気持ちだったけど。良いスタートを切ることができて安心した」と話した。だが、今の成績に一喜一憂してはならないと言う。ベント監督が本格的に本領を発揮しなければならない大会(来年1月6日開幕のアジアカップと2022年のカタールW杯)は、まだ始まってもいないからだ。金委員長は、「模擬試験は終わった。これからは本番(アジアカップ)だ。代表チームはバランスが良く取れているので、(好成績を)期待している」と話した。


鄭允喆 trigger@donga.com