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「寿命の尽きた細胞」を除去するメカニズムを解明

「寿命の尽きた細胞」を除去するメカニズムを解明

Posted September. 08, 2017 07:49,   

Updated September. 08, 2017 08:56

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細胞内ゴミと言われてきた「p62タンパク質」が、体内の損傷タンパク質の分解を支援する役割を果たすことが確認された。損傷タンパク質がたまってかかる認知症などの難病の治療に寄与するものと見られる。

韓国生命工学研究院・抗がん物質研究団のキム・ボヨン責任研究員チームは、ソウル大学のクォン・ヨンテ教授、米ピッツバーグ大学との共同研究で、p62タンパク質が寿命の尽きたタンパク質の分解を活性化させるメカニズムを解明したと、7日明らかにした。

老化やストレスで寿命の尽きた細胞が除去されずに蓄積され、凝集体を形成すると、周辺の細胞を損傷させてがんや退行性脳疾患などの病気を起こす。

タンパク質凝集体は、一般的に2つの方法で除去される。寿命の尽きた細胞だけに付く「ユビキチンタンパク質」を活用する「プロテアソームシステム」と、有害物質や損傷した細胞の小器官を細胞が自ら食べて片付ける「自己捕食」による方法である。

研究チームは、細胞がストレスを受ける時、p62タンパク質が自己捕食を活性化させる機能があることを突き止めた。プロテアソームシステムが詰まった場合、p62タンパク質が自己捕食経路をさらに活性化させ、凝集体を除去することも確認した。プロテアソームと自己捕食との関連性が確認されたのは今回が初めてだ。

p62タンパク質を調節して、損傷タンパク質の分解を促進する薬物を開発すれば、老化と代謝性疾患の治療に役立つものとみられる。キム研究員は、「代謝性疾患の根本的治療のためには、プロテアソームと自己捕食の適切な活性化の調節が重要である。p62の調節でハンチントン病を引き起こす『ハンチントンタンパク質の凝集体』をなくすオリジナル技術も確保した」と語った。この研究結果は、「ネイチャーコミュニケーション」の7月26日付のオンライン版に掲載された。



クォン・イェスル記者 yskwon@donga.com