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ソウルとイタリアの聖堂の壁画が紋切型のように似ているわけとは?

ソウルとイタリアの聖堂の壁画が紋切型のように似ているわけとは?

Posted July. 05, 2017 09:42,   

Updated July. 05, 2017 09:56

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ソウル地下鉄5号線のエオゲ駅近くにある住宅街の丘。大通りの様子とは対照的な緑青銅メッキのドーム型屋根の建物が一つそびえている。1968年に建築家「趙昌翰(チョ・チャンハン)」氏の設計で建てられた韓国正教会の聖ニコラス大聖堂である。

国内信者が1万人あまりの韓国正教会の本山であるここで、4日午前、「生まれて初めて一度勉強する美術の物語3、4巻」(社会評論)の出版記念懇談会を開いた韓国芸術総合学校美術理論科のヤン・ジョンム教授(50)は、「今回の本は、教会建築を中心に中世欧州美術の全般を振り返る内容を盛り込んでいる。文を書きながら山場を迎えるたびに、ギリシャ正教文化の本質をそのまま再現したこの空間を訪ねてきて、元気を出した」と語った。

カトリックに比べてギリシャ正教の芸術は、国内に本格的に紹介される機会が少なかった。8世紀、ビザンチン帝国の聖像破壊運動以降、反省の時期を経て、宗教芸術の厳正な形式美を整えて確立されたのがギリシャ正教芸術の特徴だというのがヤン教授の説明だ。

「ギリシャ正教では、宗教をテーマにしたすべてのイメージや彫刻から装飾的要素が排除される。作家の個人的解釈が介入された差別化をほとんど認めず、テーマごとに同じイメージとディテールを維持しようとする傾向が強い。ソウルの聖ニコラス大聖堂とイタリア・ベネチアのサン・マルコ聖堂の内部の絵画が紋切型のように似ているのは、そのような理由からだ」

鉄筋コンクリートの壁に鉄骨ドームをのせ、伝統的組積構造の聖堂の形に沿って建てられたこの建物には、1990年代半ばまで内部壁画がなかった。今の天井画と壁画は、1995年から3年間、ソジョス・ヤヌディス・ギリシャ美術大学教授が訪問して作業した結果物だ。2007年、蔚山(ウルサン)大聖堂にも同じ絵を描いたヤヌディス教授の天井画の真ん中には、キリストのイメージと共にハングルで、「万物の主管者」という文字が書かれている。

同日の懇談会に出席した韓国正教会大教区長であるアムブロシオス・チョ・ソンアム大司教は、「ギリシャ正教は、宗教芸術の形式美に厳しい一方、定着した地域の固有言語を受け入れ、その言語で教義を伝えようとした柔軟性を見せた。宗教芸術は芸術の形式で作った聖書だ。現地の信者たちが使う言語を通して教理の本質を伝えることが重要だ」と述べた。

ヤン教授は、「よく中世は文化的暗黒時代だといわれているが、中世欧州の人々は、教会の規模とディテールを通してコミュニティが持つ力と芸術的、技術的成果を我先に表そうとした。似たような時期に建てられたすべての欧州の大聖堂から、彼らの情熱を確認できる。今、中世美術の宿題を終えたので、次の本には、ルネサンスと韓国現代美術について書く計画だ」と話した。



孫宅均 sohn@donga.com