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金薰の小説「弦の歌が国楽劇に生まれ変わる 」

金薰の小説「弦の歌が国楽劇に生まれ変わる 」

Posted October. 19, 2016 07:36,   

Updated October. 19, 2016 07:51

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「2003年1月から10月にかけて、私はたまに、ソウル瑞草洞(ソチョドン)にある国立国楽院の中にある楽器博物館を覗きながら暇をつぶした。…それらの楽器の内面の猛烈な寂寞について書くことを決め…。しかし、聞こえてこない寂寞をどうして言葉に移すことができるだろうか」

小説家「金薰(キム・フン)」の2004年の作品「弦の歌」の序文の一部だ。作家が言葉に移せなかった「寂寞」が、彼にインスピレーションを与えたあそこから、13年ぶりに音やしぐさになって目を覚ます。

小説を脚色した国楽劇「弦の歌」は、来月10日から20日にかけて、ソウル瑞草区にある国立国楽院・礼楽堂で初公演される。

「この原作を舞台化することは正気でないことだ」

18日午前、国楽院で会った李丙勳(イ・ビョンフン)演出家の最初の一言だった。氏は1989年に東亜(トンア)演劇賞、2008年は大韓民国演劇大賞を受賞した演劇演出のベテランだ。「小説に使われる言語は流麗で、想像だけで可能な特別さがある。欧米流ミュージカルなどの形式では不可能だと判断した。音楽を中心に据えたオラトリオの形の新しい国楽劇を実験することにした」

国立国楽院の金海淑(キム・ヘスク)院長は、「金薫作家とは約1年間親交を深めながら、作品を準備してきた。氏から、小説では細かく描くことができなかった音楽部分を、国楽院で扱ってもらいたいと言われた」と伝えた。

しかし、リュ・ヒョンソン音楽監督も李演出家のように、原作の強烈な言語にぶつかって、悩みが深まった。「自分なりに解釈して、歌詞を書き直し、『弦の歌』であるだけにカヤグムを中心に管弦楽団を作った」。カヤグム竝唱の専攻者6人を「絃女」として配置し、于勒(ウルク)と一緒に音楽を演奏したり、氏の苦悩をなだめる役割をさせた。古代ギリシャ劇の中のコーラスのように活用したのだ。

オーディションを経て、主演である于勒役は、実際のカヤグム奏者であるキム・ヒョンソブ(国楽院正楽団員)、宮中女官である「アラ」の役は、ダンサーのイ・ハギョン(国楽院舞踊団員)が演じることになった。「モーツァルト」、「ジキル&ハイド」に出演したミュージカル俳優キム・テムンが、于勒の弟子「二ムン」役を演じた。

同日、俳優たちは舞台で、約6分間、作品の一部を実演した。ナレーションやカヤグム竝唱、カヤグム独奏、独舞が調和をなしたが、作品全体の出来具合や空気を窺うには足りない時間だった。カヤグム奏者が直接披露した于勒の演奏が客席を引き付けたなら、歌の専攻者でない二人の俳優の歌唱は、やや単調な気がした。

キム・ヒョンソブは、「素晴らしい技量を持った歌より、未完成で淡々とした歌唱が、原作の乾いた情緒やテキストを伝えるのにより効果的だろうという制作チームの声を聴いて、勇気を出した」と話した。

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임희윤기자 イム・ヒユン記者 imi@donga.com