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[オピニオン]「おとなしい」柳一鎬の変身

[オピニオン]「おとなしい」柳一鎬の変身

Posted January. 15, 2016 07:55,   

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第2代経済副首相として1964年から3年5か月間在任した張基榮(チャン・ギヨン)には異名が多かった。コンピューターのついたブルドーザー、親分、ボス、タンク、不眠不休などの言葉が彼に付きまとった。時には独善的だという批判も受けたが、その推進力と精巧さを備えたリーダーシップは、金利現実化やドイツ借金誘致、経済自立などの重要政策を成功させた原動力となった。

◆氏は週2、3回、退社後、主要経済閣僚や金融機関長などを、副首相執務室の隣の会議室(いわば緑室)にいきなり招集した。昼間は、省庁の仕事をするという建前があったが、緑室会議が何時間も続けば、閣僚たちは空腹や疲れのため「降参」せざるを得なかった。国会と予算や政策協議を行う時も、張基榮は、宵の口は急な用事があると席をはずし、深夜に戻ってきては、「万事面倒になった」議員たちを説得して、政策を通らせた。会議で自分の狙い通りに結論を導くため、予め腹ごしらえをし、休憩を取りながら万全の準備を尽くした張基榮の高難度戦術だった。

◆柳一鎬(ユ・イルホ)新任経済副首相は性格が無難なため、異名が「おとなしい人」だ。経済博士出身で、国策研究機関を経て2008年、政治家に変身したが、「ファイター」とは程遠い。西江(ソガン)大学の金秉柱(キム・ビョンジュ)名誉教授など1000人余りの経済・経営・行政学者たちが2004年、廬武鉉(ノ・ムヒョン)政府と政治圏の反市場経済やポピュリズム行動を批判する「経済時局宣言」を発表した時も、生ぬるい態度を示した。

◆柳副首相はこのような視線を意識したのか、一昨日の就任の辞では、「改革成功のためには白兵戦も辞さない」と声高に叫んだ。柳成龍(リュ・ソンリョン)の懲鋆錄(チンビロク)から引用した「懲鋆」や「奮闘」などの言葉を使ったのも、これまでとは変わった姿だ。しかし、韓国銀行が今年の成長率予測値を3.0%に引き下げた昨日、各経済省庁の新年の大統領向け業務報告でも切羽詰まった危機意識や目立つ対策を目にすることはできなかった。柳副首相がおとなしさではなくファイターに変身することが、果たしてできるだろうか。それで、経済の再跳躍を遮っている様々な積弊に真っ向から立ち向かって、成長エンジンを再び蘇らせることができるだろうか見守りたい。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com