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「30歳頃に弾けた詩…爪の手入れのような気持ちで整えました」

「30歳頃に弾けた詩…爪の手入れのような気持ちで整えました」

Posted November. 03, 2015 07:10,   

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「爪の手入れのような気持ちで、詩集を整えました」

2日、ソウルのとある喫茶店で会った詩人・チェ・ヨンミ氏(54)は、「三十歳、宴は終わった」(チャンビ、以下「三十…」)の改訂版についてこう語った。

「三十…」は、氏の初詩集だ。1994年に披露されたこの詩集は、破格な詩語と冷笑的かつ直接的な話法で、詩壇や読者らに強烈なショックを与え、ベストセラーになった。氏は累積販売部数が50万部に上るこの詩集について、「私には祝福であり、呪いであり、最後は運命となってしまった」と話した。

言葉通り、「つめを切るように」詩人は、初版の複数の詩から形容詞と副詞を切り取った。たとえば、「私の中の秋」では、「風が吹けば、私はいつも秋になる」を「風が吹けば私は秋だ」に、「私の大学」では、「今、もしかしたら、語ることができるかもしれません」を、「今、語ることができるかもしれません」に書き直した。表題詩の一下りである「あのすべてのことを思いだし、熱い涙を流すことを」は、「熱い涙を流すことを」に変えた。

チェ氏は、「30代に書いたこの詩を今見たら、自分の中から出てくる言葉を余すことなく、全て書いたものだった」とし、「詩は、圧縮が命なだけに、不要な修飾語は外さなければ、という気がした」と話した。氏は、「先輩の詩人の方々に会えば、『三十…』について、『本当は、何もわからずに書いたんだろう?』と言われ、『詩とはもともと、そんな風に自分も知らないうちに書くものだ』とも言われた」と語った。「改訂版の作業をしながら、外すべきものは外したが、加えることはしなかった。過ぎ去った人生の痕跡を治そうと『整形手術』などしようとしなかった」と、氏は付け加えた。

表紙は、赤い地が印象的だったマーク・ロスコの作品「灰色の上の光」から、ジェームズ・ホイッスラーの黄褐色の絵画「憤りの海」に取り替えた。「30代の憤りや絶望を現していたのが、傷口の内面化が盛り込まれたイメージに変えた」と、詩人は説明した。

昨年、小説「青銅の庭」の発売後、長い創作活動に疲れて、氏はしばらく絶筆を考えたという。年明けに、冠岳区(クァンアク)区役所の「詩創作教室」での講義を担当し、氏は詩への情熱が蘇った。「母親や中学生の娘、引退した高校教師、幹部試験準備生、一人暮らしの高齢者…。詩を学びたい一心で、いたるところから皆さんが集まってきましたね。あの方々の詩への切実な気持ちに、私は心を打たれました。心を入れ替え、詩を書くきっかけになりました」

三国時代を背景にした叙事詩を書く計画だという氏は、「全羅道(チョンラド)と慶尚道(キョンサンド)とに分かれた情緒、北朝鮮との対立など、現在の韓国の現状は、高句麗や百済、新羅の三国時代と違わない」としながら、「『三十…』がそうだったように、人生や時代の記録として、詩を書いていきたい」と語った。



kimjy@donga.com