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[オピニオン]不ぞろいの靴

Posted December. 12, 2013 07:35,   

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米バーモント州に住むマリアンヌ・ウェイクリン氏は9才の時、母親から編物を習って古い毛糸で靴下を編んだ。趣味が事業に発展し、2000年に「ソルメイトソックス」という会社が誕生した。この会社は、リサイクルの綿を原料に「不ぞろいの靴下」を作って販売する。左と右が同じでなければならないという固定観念を破った靴下は世界的に大ヒットした。会社のスローガンが面白い。「両方の靴下を合わせて履くには人生はあまりにも短い」。急いで外出しなければならないのに洗濯した靴下の片方が見当たらなかったり、片方の靴下はいいがもう片方に穴があいていて慌てた人なら納得がいくだろう。

◆2003年、ニューヨークでオープンした「リトルミスマッチ」は子ども用の不ぞろい靴下、手袋、長靴などで成功した。ここでは3本、9本など奇数で靴下を売る。子どもが気分によって選んで履く楽しみを与えようというアイデアだ。

◆国内でも不ぞろいスタイルが注目されている。以前なら芸能人などが挑戦する「難解なファッション」が大衆にうけた。ある靴ブランドは、3つの靴を1セットで販売し、注目を集めている。同じデザインの靴1組に形が若干異なる右足の靴をおまけにつける「2+1」商品だ。消費者が好みによって両足を同じにあるいは不ぞろいに履くことができる。この会社の売り上げは昨年の80億ウォンから今年は300億ウォンを上回る勢いだ。

◆個性と創意力が尊重される時代だ。靴下も靴も不ぞろいの商品は失敗ではなく独自のスタイルだ。「創造的破壊」のマーケティング戦略として認められたのだ。いわゆる「非対称デザイン」は、ファッションを越えて別の分野にも広がっている。今年お目見えした現代(ヒョンデ)自動車ヴェロスターの場合、運転席側に1つ、助手席側に2つのドアがあり、左右が異なる。慣れ親しんだものを見直すところから個人の想像力が蘇り、企業の新しい活路が開かれる。今年の忘年会ではドレスコードに「不ぞろいの靴下」と「不ぞろいの靴」はどうか。創造と革新は遠くにあるものではない。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com