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「甘い」コンユ、その実は「男前」

Posted December. 12, 2013 07:35,   

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コンユ(34)は、「やさしい」男だ。映画「トガニ」を除けば、主演を演じた大半の作品が、ロマンチックコメディ(ドラマ「コーヒープリンス1号店」や「ビック」、映画「キム・ジョンウク探し」)だ。すらりとした身長や長い首まわり、コーヒーのコマーシャルに似合う甘い声も、「ロマンチックコメディの王子様」と位置づけするのに一役買った。

「僕も実はその中身は、『荒い男』かもしれませんよ」

11日、ソウル三鋻洞(サムチョンドン)のカフェで会ったコンユは、かつてより一段としっかりしているように見えた。彼は、19日公開する「容疑者」で、初めてアクション演技にチャレンジした。コンユが演じるチ・ドンチョルは、北朝鮮の最精鋭の特殊要員出身の脱北者だ。妻や娘を殺した者を追う追跡者であり、企業会長殺人事件の容疑者として追われる逃亡者でもある。

台詞は、全てをまとめてもA4コピー用紙2枚分にならない。追いつ追われつの過程を埋めるのは、格闘や銃撃戦、自動車追撃戦などのさまざまなアクションだ。30分に一度、上着を脱ぐ「男前」コンユの姿も出てくる。画面の中の彼の目つきは、鋭さを帯びている。

「撮影当時、飢えを感じたことがうまく影響しました。獣も飢えが続けば気が立ってくるじゃないですか。ダイエットを長いことしたので、頬骨が目立ち、目がくぼんだんですよ」

映画が求める体作りのため、3ヶ月間、体脂肪を減らした。塩気や脂肪を除いた食べ物ばかり食べ、厳しいばかりに筋肉をつけてきた。最後の方ではウォン・シンヨン監督をはじめ、周囲が食い止めたほどだ。「僕が少し欲をかいたんです。皆様にチ・ドンチョルを、人間以上を非現実的な人物を、見てもらいたかったからです」。

「容疑者」は、北朝鮮出身のハンサムな人間兵器が登場するアクション映画だということで、今年公開されたキム・スヒョンの「内密に、偉大に」、トップの「同窓生」を思わせる。コンユは、「両映画の素材が重なり懸念する声もあったが、ストーリーはまるで違ったため、気にしなかった」という。「冗談半分に分けてしまえばこの2つの作品の主人公はスパイですが、私は韓国人でしょう?北朝鮮からやってきたという事実より、数奇な運命の男の物語に注目しました」。

コンユは、映画出演の提案を、最初は断ったという。「大規模な映画への負担とともに、若い俳優なら、当然アクションを経験すべきだという見方に、反感があった」という。彼を説得したのは監督だった。ウォン監督は、映画の準備段階から、主人公としてコンユを念頭においていたと明らかにしたことがある。主人公・チ・ドンチョルの名前も、コンユの本名(コン・ジチョル)と似ている。

「容疑者」は昨年9月に撮影を開始し、今年6月に撮影を終えた。撮影期間が、ほかの作品の2〜3倍に上る。コンユは、映画のため、ロシアの実践武術・システマを学んだ。自動車追撃シーンやロッククライミング、漢江(ハンガン)への飛び込みなどを、代役無しにこなした。

終始、静かな声でインタビューをしていたコンユも、アクションシーンについて語る時は、声が大きくなった。「『トガニ』の撮影は精神的につらかったが、今回は肉体的に苦しかった。でも、撮影は終始楽しかった。興行とは関係なく、僕としては大変楽しかった作品だ」と語る。

今回の映画には、パク・ヒスンやチョ・ソンハなどの演技派脇役が出演している。年下の男役として、女性先輩らと主に演じてきたコンユは、男の先輩方と一緒に映画を撮影した経験も新鮮だった」という。「実は、女優の先輩と一緒にいると、色々と尽くさなければなりませんが、今回は兄貴分の先輩たちと友達のように過ごしました。男の人たちと付き合うのが好きです。僕には少し、粗い面があると言ったじゃないですか」。