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[オピニオン]サンクレール夫人の度量の大きな微笑み

[オピニオン]サンクレール夫人の度量の大きな微笑み

Posted July. 04, 2011 03:01,   

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ホテルの女性従業員に性的暴行をした容疑で起訴されたドミニク・ストロスカーン前国際通貨基金(IMF)総裁が、法廷で自宅軟禁解除措置を受けると、アンヌ・サンクレール夫人は笑顔を見せた。サンクレール夫人は、過去、夫がスキャンダルに巻き込まれた時も、「むしろ誇らしい。政治家にとって『誘惑の能力』は大きな資産だ」と言ってかばった。今回の事件が起こると、「1秒も夫を疑ったことはない」と言い、有名弁護士を雇用した。自宅軟禁の夫が居住する高級アパートの賃貸料や莫大な保釈金も、夫人の財布から出た。韓国男性は、ストロスカーン氏がうらやましく、サンクレール夫人の微笑みが不思議に思えるだろう。

◆女性問題で有名だった歌手であり映画俳優のイヴ・モンタンのシモーヌ・シニョレ夫人は、夫とマリリン・モンローとの仲がうわさされた時、「マリリン・モンローの魅力に抵抗できる男がいるだろうか」とかばった。ヒラリー・クリントン米国務長官は92年、夫のビル・クリントン氏とナイトクラブ歌手の仲が暴かれると、番組に共に出演して「夫を愛し、尊敬する」と述べた。夫は無事にホワイトハウスに入城した。98年のルウィンスキー・スキャンダルの時も同様の態度を取り、弾劾危機を克服した。しかし、ヒラリーは後に自叙伝で、「夫の首を捻じ曲げてやりたかった」と吐露した。ストロスカーン氏もカメラ記者がいないところでは、夫人にかなり責められていることだろう。

◆ストロスカーン氏の夫人の微笑みには、フランス社会の比較的寛大な性意識のほかにも、権力者の夫を持つ妻の権欲まで加わったようだ。パリに暮らすある女性は、「権力者夫婦は、政治的目標に向かって駆け抜いてきたパートナーです。長く床を共にしていないので、クールに見逃すのでしょう。夫婦間でフランスが高く評価する『連帯意識(ソリダリテ)』が発揮されるのです」と話した。

◆ストロスカーン氏の夫人はユダヤ人だ。ユダヤ人の夫をフランス大統領にするために献身した。テレビで最高視聴率の対談番組の司会を務めていた彼女は、ストロスカーン氏と結婚するために放送界を離れた。自分が蓄積した人脈も夫に渡した。夫の政治資金を調達するために喜んで遺産を投げ出した。フランスで夫婦の政治的連帯意識は、性的連帯意識を圧倒するようだ。

李亨三(イ・ヒョンサム)論説委員 hans@donga.com