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高騰する物価、「ウォン安政策」が煽る

Posted May. 17, 2008 04:21,   

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今年第1四半期(1〜3月)はウォン安が進み、石油製品の原材料である原油をすべて輸入に頼っているSKエネルギーは、約1500億ウォンの為替差損をこうむった。今年の年平均のウォン相場を915ウォン台と見込んで、この基準であらかじめ原油導入の契約を結んだためだ。同社の営業利益は昨年同期より16%減り、ライバル会社のGSカルテクスも、第1四半期は同様の理由で、営業損失を出した。

ウォン安が急激に進み、輸入物価も高騰している。輸入物価は1、2ヵ月後に消費者物価に反映される。高騰する国際原材料価格にウォン安まで加わり、国民の負担が増し、政府の政治的な負担として働いている。

これを受けて、ウォン安を誘導し、輸出を増やして経常収支の赤字を減らそうとした姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官の為替政策の方向が、深刻な脅威にさらされているという分析が出ている。「姜萬洙為替」が危機に直面しているわけだ。

●輸入物価の高止まり

16日、韓国銀行(韓銀)が発表した「4月の輸出入物価の動向」データによれば、4月の輸入物価(ウォン基準)は昨年同月より3.13%高騰した。金融危機でウォン相場が急落した1998年5月の31.9%以来、10年ぶりの最高値だ。

高騰を続ける輸入物価は、生産者物価や消費者物価に逐次影響を与えている。

前年同期比の輸入物価の上昇率は、昨年12月の15.6%から今年1月は21.2%、2月22.2%、3月28.0%など引き続き上昇し、これを受け、消費者物価も昨年12月から、毎月韓銀の物価管理の上限線の年3.5%を引き続き上回っている。

今年に入って急激に進んだウォン安で、輸入物価はさらに引きあがっている。

韓銀によれば、為替レートの変動効果を除く外国為替基準の4月輸入物価の上昇率は昨年同月より21.9%で、同期間のウォン建て上昇率の3.13%より9.4%ポイント低かった。輸入物価の上昇分の3分の2は国際原材料価格の上昇のためだが、残りの3分の1は為替のためだという意味だ。

ドルに対する平均ウォン相場が930.24ウォン水準だった昨年12月は、ウォン建て輸入物価と外国為替基準の輸入物価の差は1.5%ポイントに過ぎなかった。

これと関連して、李成太(イ・ソンテ)韓銀総裁は最近、「韓国経済において、原材料価格と為替のうち、物価に及ぼす影響は為替の方がさらに大きい」と指摘した。

また。ドルに対するウォン相場が1%上がれば、消費者物価は1年間約0.08%値上がり、原油価格より約4倍の影響を物価に及ぼすと、韓銀は説明した。

●経常収支の赤字より内需の萎縮がさらに深刻

政府の希望通り進んだウォン安で輸出は活発となっている。輸出が増えれば経常収支の赤字が減り、経済成長率の上昇に役立つ。

16日、関税庁は、4月の貿易収支の赤字幅は1億9500万ドルで、3月の8億2000万ドルに比べて大幅に減ったと発表した。政府が誘導した急激なウォン安で、4月の輸出増加率が前年同期比26.4%にも達したためだ。

しかし、最近ウォン安で物価が不安となり、経常収支の赤字を減らす肯定的な効果よりは、物価上昇により賃金労働者たちの実質的な購買力の萎縮や、これに伴う内需萎縮などの否定的な効果がさらに大きいという声が高まっている。

呉文碩(オ・ムンソク)LG経済研究院常務は、「ウォン安が進めば、国際市場で韓国製品の価格競争力が高まり、輸出が増えるのは当然だ」としながらも、「ただ、ウォン安がもたらす肯定的な効果のみならず、物価不安や内需萎縮を招く否定的な側面も共に考慮しなければならない」と話した。

内需が萎縮すれば、雇用誘発効果の大きいサービス産業にも悪影響を及ぼしかねない。政府がウォン安を維持することで、究極的に達成しようとする高い成長率や雇用創出という目標を、かえって損ないかねないという意味だ。輸出大手企業の売り上げ増加が、雇用拡大へとうまくつながらないという分析も、政府には負担となっている。

実際、内需萎縮は早いスピードで現れている。韓銀によれば、消費財販売の増加率は昨年第1四半期の5.7%から、今年同期は3.8%へと下がった。

三星(サムスン)経済研究所の権純旴(クォン・スンウ)マクロ分析室長は、「今はウォン安で物価の安定を図り、低金利や財政支出の拡大で内需を活性化させる時期だ。最近は、輸出は増えても雇用増加や一般人の消費支出の増大へとつながっていない」と分析した。

経済成長率は同様でも、サービスを含めた内需の貢献度が輸出より低ければ、経済主体が感じる体感景気は悪くなるという指摘だ。

一部では、「ウォン高が進んだ03〜05年も、韓国は二桁の輸出増加率を記録した」とし、ウォン安が輸出に及ぼす影響力が減ったという主張も出ている。

韓銀の関係者は、「ウォン安が進んでも石油製品などの原材料の導入価格が値上がり、国内企業が価格を下げる余力は多くないことが分かっている。国内企業の輸出は価格競争力よりは輸入国の需要や各国内企業の品質が決定する」と話した。



larosa@donga.com