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チリ外務次官「貿易が生存と直結するほど、FTAから活路模索を」

チリ外務次官「貿易が生存と直結するほど、FTAから活路模索を」

Posted May. 07, 2007 03:16,   

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「多国間の貿易協定は非常に進行のスピードが遅く、複雑な過程が必要ですね。したがって、貿易が生存に直結される国であるほど、積極的に国同士の貿易の枠を作り上げていかなければなりません」

チリのアルベルト・バン・クラベレン外務次官(写真)が第4回韓国・チリ高官政策協議会に出席するため、3日と4日の両日間来韓した。欧州連合(EU)大使や欧州地域の3ヵ国の大使を歴任し、チリでは「欧州筋」として知られている次官は、巨大経済圏のEUと韓国との自由貿易協定(FTA)の締結が韓米FTAの締結に続いて、国際経済に大きな影響を及ぼすことになると展望し、04年締結された韓−チリ間のFTAの成果を高く評価した。同氏を3日、ソウル・ロッテホテルでインタビューした。

——韓国・チリFTAが発効(04年4月1日)してから3年間をどう評価するか。

「両国の交易が232%増加したことも高く評価できるが、チリはこれを通じて個別産業分野の競争力も高めることができた。FTAを契機に拡大された両国間の経済通商協力関係は政治、安保分野へと拡大されるだろう」

——EUとのFTA交渉に参加した経験に照らして、韓国の交渉チームにアドバイスするとすれば…。

「27ヵ国の会員国の複雑な構造の中で、各国の利害関係が絡んでおり、それぞれ自分の主張ばかりするEUとの交渉は複雑な過程になるしかない。しかし、EUは一度決めたことは最後まで押し通す。だから、複雑なEU国家間の特性をよく理解し、対応すればいい。従来のEU市場に進出した企業をうまく活用すべきだ。ワインの主な産地の欧州に、チリ・ワインが大きな市場を形成したのも、既存の進出企業を活用した戦略のおかげだった」。

——チリは韓国とFTAを締結する前もすでに17件のFTAを50ヵ国あまりと締結した。このような積極性はどこからきたのだろうか。

「多国間と枠のなかに安住すれば、さらに楽だろうが、進行のスピードがあまりにも遅すぎる。競争国に遅れをとらないためには、経済を進んで開放し、ほかの主要市場にいち早く接近しなければならなかった。このためにはまず、すべての輸入商品に6%の単一の関税を適用した。つづいて、主な貿易相手国との両国間交渉締結に積極的に乗り出したことも、競争国に遅れないための措置だった」。

(チリは1973年、クーデタで政権を握ったアウグスト・ピノチェトの政権下で、「シカゴ学派」を大勢起用して開放政策を展開した。これによって、製造業の競争力をよみがえらせ、地道な経済成長を成し遂げた)

——国同士のFTAは関税水準などをそれぞれ作った結果、かえって貿易は複雑になり、企業の経営はさらに困難になるという「スパゲッティ・ボール効果」の議論があるが、これについてはどうかんがえているのか。

「FTAを批判するのは広範囲な多国間の貿易協定で十分だという『理想的な』領域では意味を見つけられない。しかしこれは学術的に理論に過ぎない。現実の世界では物事はそれほど容易に進まない。交渉家は多くの国々のさまざまな利害関係を丸く収めなければならないので、厳しくなりがちであり、とりわけ、貧しい国々がこれをさらに複雑にさせる。ドーハラウンド交渉が遅遅として進まないのもこのせいだ」



spear@donga.com