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面白さを重視したあまり散漫になった映画『コン・ピルドゥ』

面白さを重視したあまり散漫になった映画『コン・ピルドゥ』

Posted May. 11, 2006 07:09,   

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刑事のコン・ピルドゥ(李ムンシク)は、無能と蔑まされている警察署の問題児。40歳になっても結婚できない彼は、一人暮らしの父親(ビョン・ヒボン)がいくらプレッシャをかけても、結婚には興味がない。

ある日、父親が倒れる。コン・ピルドゥは、手術費を借りようと組職暴力団のナンバー2であるテゴン(金スロ)を尋ねるが、むしろテゴンに騙され、不正刑事の濡れ衣を着せられる。

コン・ピルドゥはテゴンを探すため、テゴンの恋人であるミンジュ(金ユミ)の後を追う。

11日に封切られる映画『コン・ピルドゥ』は、闇鍋に似ている。いろんなところから持ってきた材料を一緒に入れて煮たため、いったいどんな鍋物にしようとしていたのかが分からなくなる。

同映画には多くの登場人物が出る。ビョン・ヒボン、金スミ(コン・ピルドゥの父親のガールフレンド)、金スロ、金ガプス(コン・ピルドゥの職場上司)、金レハ(私債業者)など、名前を聞いただけでも頼もしい性格俳優だ。このようなキャスティングはたぶん劇的な面白さを加えると同時に、今回の映画で単独主演を初めて引き受ける俳優の李ムンシクを側面支援しようという思慮深い演出だったに違いない。

しかし、『コン・ピルドゥ』の各エピソードは左衝右突し結局は道に迷い、落ち着きのない俳優の演技は、映画とうまくマッチしていない。何かを伝えようとするほど、話の空白が逆にもっと大きくなる「豊かさの中の貧困」…。コン・ピルドゥにまつわるエピソード、コン・ピルドゥの父親のエピソード、テゴンのエピソード、テゴンの恋人に関するエピソード、組織暴力団のエピソードは求心力を失い、映画に合致せずに散漫としている。

映画を面白く作ろうとする前に、何を言わんとしているのかについてもう少し考えたなら、もっと良かったはずだ。『のっぽおじさん』を作ったコン・ジョンシク監督の演出作。映画観覧は15歳以上。



sjda@donga.com