Go to contents

アップルの招かれざる客

Posted May. 26, 2017 08:41,   

Updated May. 26, 2017 08:41

한국어

世界的な投資銀行のモルガンスタンレーの招待で香港を訪問したのは、映画俳優レスリー・チャン(張国栄)の自殺から半年が過ぎた2003年秋のことだった。思いのほか、彼が飛び降りたマンダリン・オリエンタルホテルの24階の窓が小さ過ぎることに驚いた。初日の夕飯を除いて、ぎっしり組まれたセミナースケジュールのため、3日間笑える暇さえなかった。世界的なエコノミスト、スティーブン・ローチ氏は「チャイナリスク」を警告し、アンディ・シェー氏はなぜ韓国は高騰する住宅価格を安定させるために供給を増やさないのか疑問だと言った。この行事は、今はなくなった。銀行側が狙った宣伝効果とは裏腹に、記者たちがニュースになりそうな話だけを報道し、損する商売だと思ったのかもしれない。

◆人工知能アルファ碁で第4次産業革命のトップランナーとして台頭したグーグルは、「消費者の善意」に頼る会社だ。会社のモットが「邪悪になるべからず」であるほどだ。創業者のラリー・ペイジーが優しい心の持ち主だからと言うよりは、コミュニケーションを抜きにしては自社の巨大プロジェクトはとても動かせるものではないというのが理由だ。先週、グーグルが世界開発者会議に韓国を含めて世界各国のマスコミと開発者を招いたのは、グーグルレンズという新技術に対する消費者の同意を得るための取り組みだった。

◆アイフォンを作るアップルにおいても市場との交流は重要だ。ところが来月5日、同社主催で米国セネジェイで開かれる世界開発者会議に全世界のマスコミを招待しながらも、韓国のマスコミだけは外した。イベント会場のチケット価格が180万ウォン前後であるため、韓国の請託禁止法を違反する恐れがあるというのが理由だとした。今年9月に予定しているアイフォン8の発表会にも韓国メディアは招待されない可能性があるとも言われている。韓国メディアだけが「招かれざる客」になっているのだ。

◆国民権益委員会は昨日、アップル社の招待問題に関連して、「請託禁止法に抵触しない」という有権解釈を出した。外国企業が新製品発表イベントをPRするため韓国の記者を招待する際、他国記者と同じ水準の航空券や宿泊と食事と提供すれば問題ないという。アップルが最初から、このような質問をせず韓国だけを外したのならそれ自体でも問題だが、根本的な問題は曖昧な請託禁止法だ。一昨日の人事聴聞会で首相候補に内定した李洛淵(イ・ナギョン)氏は、「請託禁止法の修正を検討すべき時期が来た」と話した。昨年9月28に議論の中で法律が発効したのがつい昨日のことのようだが…。