軍服でもセクシーになりうることを示したＫＢＳ２テレビのドラマ「太陽の末裔」が、大ブームを巻き起こしている。仮想の国・ウルクに派遣された特殊戦司令部の将校（宋仲基）と女医（宋慧教）との恋を描いたドラマだ。ストーリーよりももっと非現実的なことは、男性主人公の容姿だ。軍服や作熱する太陽すら宋仲基の輝く肌を隠すことができない。さらに、照れること極まりない台詞まで。「あの時、許しを得ずキスしたことを謝りますか、それとも告白しますか」。女性たちは倒れる。
◆「太陽の末裔」は最初から、中国への輸出を念頭に置いて１００％事前制作した。中国がテレビドラマにのみ適用してきた事前審議制を、昨年１月からインターネットにまで拡大適用したため、３ヵ月前に終えなければならなかったためだ。おのずと「本番寸前に出来上がる脚本」が無くなり、作品性も高まった。そのおかげで、中国動画サイト・愛奇芸でサービスされた１、２話は、再生回数が４億回を超えている。こんなスピードなら、「星から来たあなた」の累積再生回数の３７億回を超えるのは時間の問題だ。中国のとあるメディアは、「中国の女性たちが、キム・スヒョン（星から来たあなた）という麻薬から覚めた直後に、もっと強力な麻薬が登場した」と報じた。
◆先週末、見るに見かねた中国公安は、いわば「宋仲基（ソン・ジュンギ）注意報」を発令した。「太陽の末裔」を始め、韓国ドラマ１８本を立て続けてみた女子大生が急性緑内障にかかり、失明危機に置かれているという。「４大悪の打撃」という公安の微博は、「太陽の末裔の放送後、数千万人もある少女ファンの多くが、『宋仲基恋煩い』にかかった」とした上で、韓国ドラマは法律問題を引き起こしかねないと警告した。
◆宋仲基ドラマのために夫婦喧嘩の末に離婚したり、整形手術をする事例はなんでもない。宋仲基に夢中になった妻の気を引こうと、写真館を訪れた２０代の男性が、「宋仲基そっくりに撮ってほしい」とカメラマンを苦しませて、警察に通報されたこともあったという。中国を揺さぶった太陽の末裔の魔力を、「宋仲基流の言葉」で締め括れば次のようになるだろう。「よく作られたドラマが、中国当局の規制や日本国内の嫌韓感情によって冷めつつある韓流に火をつけることになれば、それより嬉しいことはないではありませんか」
鄭星姫（チョン・ソンヒ）論説委員 shchung@donga.com
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