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デルタ航空が大韓航空の「援軍」を買って出たのは「米安保戦略との関連」か

デルタ航空が大韓航空の「援軍」を買って出たのは「米安保戦略との関連」か

Posted July. 03, 2019 08:53,   

Updated July. 03, 2019 08:53

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米デルタ航空が韓国私募ファンドであるKCGI(姜成富ファンド)と経営権紛争中の韓進(ハンジン)グループの援軍として登場したことをめぐり、米国の軍事安保戦略が事実上影響を及ぼしたという分析が出ている。デルタ航空は先月21日、韓進グループの持株会社である韓進KALの4.3%の持分を買い付けて、事実上趙源泰(チョ・ウォンテ)韓進グループ会長の肩を持った。

2日、複数の国会国防委員会の関係者は、「国防専門家と米軍関係者は、大韓(テハン)航空に対するKCGIと国民年金の攻撃について真剣に心配していた」とし、「大韓航空は航空会社であると同時に、米軍軍用機のオーバーホールを担当している防衛産業メーカーだからだ」と話した。韓進グループとKCGIの対立を単に経営権の戦いではなく、国際政治学な観点から見なければならないという解釈だ。

大韓航空は1978年から、航空機整備事業(MRO)を担当する航空宇宙事業部で米軍軍用機の整備事業を開始した。大韓航空は、米空軍の戦闘機F-15とF-16、A-10、C-130はもとより、CH-47、UH-60など、米軍ヘリの整備も担当している。防衛産業界によると、大韓航空は、アジア太平洋地域の米軍航空機とヘリコプターの整備量の約60%を担当する。今年2月に米国のステルス戦闘機F-35の整備業者で構成されたコンソーシアム「TEAM ROK」にも大韓航空が含まれた。米軍にとって、大韓航空は安保戦略を共にする戦略的パートナーでもある。

米国は先月1日、「インド太平洋戦略報告書」を発表した。ここでは、安保への脅威となる中国と北朝鮮を牽制するために、韓国と日本、豪州などの同盟国と地域パートナーとのネットワークと協力強化を強調した。地域パートナーの一社である大韓航空も協力強化の対象に含まれたと、専門家は推定している。

KCGIが大韓航空の航空宇宙部門を分社すると明らかにしたことも、不安を与える要因だったという分析も出ている。KCGI側は1月、「国民の懐に帰る韓進」というタイトルの117ページの報告書で「航空宇宙部門を分社すれば、大韓航空の借入金の改善に大きな効果が期待される」と明らかにした。KCGIが経営権を握るようになれば、MRO部門を切り離しかねないということを公に明らかにしたのだ。これに対してとある国防専門家は、「数十年間、米軍と整備のパートナーとして一緒にやってきた大韓航空のMRO分野を切り離したいとすることが、米国にはどのようなメッセージで聞こえるだろうか」と話した。

韓国国内の国防専門家らは、デルタ航空の韓進KALの持分確保で、米国のアジア太平洋地域における安保戦略の不確実性が除去されたと見ている。

デルタ航空側は、このような解釈について明確に一線を画している。デルタ航空側は、東亜(トンア)日報との電子メールでのインタビューで、「今回の投資は、米安保戦略上の投資の可能性があるか」という質問に対して、「私たちは民間企業だ。米政府と協議したことは決してない」とし、「今回の株式取得は、大韓航空との長期的パートナーシップの強化と消費者便益増進のためのものだ」と明らかにした。


ピョン・ジョングク記者 bjk@donga.com