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新型コロナの力説、人間が止まると地球が健康に

新型コロナの力説、人間が止まると地球が健康に

Posted April. 03, 2020 08:05,   

Updated April. 03, 2020 08:05

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世界の新型コロナウイルスの感染者数が100万人に達し、人類の移動がストップした。国内をはじめ米国や欧州など各国が移動を制限し、「外出自粛」を実施しているためだ。学校が休校に入り工場が稼動を停止するなど日常生活が萎縮しているが、世界の空はいつよりもきれいになったという研究結果が出ている。

国際学術誌ネイチャーによると、最近「世界の煙突」であり、新型コロナウイルス感染症の発生源とされる中国の大気の質が改善されたという。多くの国家が強力な移動制限を命じる欧州地域の大気の質も良くなった。世界で新型コロナウイルスによって多くの人が命を失い、人間の活動が制約されているが、その結果、世界の空気がきれいになるという逆説的な現象が起こっているのだ。

米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が収集した衛星データを分析した結果、今年2月の1ヵ月間、中国で化石燃料の消費で発生する大気中の二酸化窒素が急激に減少したことが分かった。フィンランド・ヘルシンキにあるエネルギー・大気清浄研究センターが衛星データに基づいて分析した結果によると、中国の産業活動は新型コロナウイルスで最大4割減少した。今年2月の中国内の石炭消費は、この4年間で最低値を記録した。石油の消費も3分の1以上減った。この期間に中国の炭素排出量は25%以上減少したことが分かった。

NASAのゴダード宇宙飛行センターの大気科学者リュフェイ氏は、「中国では毎年旧正月の連休には工場を閉めて産業活動が減り、二酸化窒素の濃度も共に減少し、7~10日が過ぎると再び上昇するが、今年は違った」とし、「1月25日の旧正月後、中国の二酸化窒素の汚染度は前年の同期間に比べて10~30%ほど減った」と明らかにした。

中国の大気の質の改善は、韓国にも影響を及ぼしたと分析されている。昨年12月から今年3月までのPM2.5「非常に悪い(1立法メートル当たり51マイクログラム以上)」の日が2日だけだった。前年の同期間は18日。中国が新型コロナウイルスで工場の稼動を停止し、石炭をあまり使わなかった影響を無視することはできない。

ESAが運用する地球観測衛星「Sentinel-5P」のデータ分析の結果、欧州の大気の質の改善も確認された。この衛星には、大気中の粒子に日光が反射する時の波長と色を分析する分光装備がある。これを通じて、二酸化窒素、オゾン、ホルムアルデヒド、二酸化硫黄、メタン、一酸化炭素を探知することができる。

化石燃料の消費で発生する二酸化窒素の濃度は、風の方向や風速が変わる時に流動する。少なくとも10日ほどのデータを分析してこそ人間活動にともなう変化の影響がみえる。ESAは、「10日間のデータを集計して分析した結果、イタリア北部の二酸化窒素の濃度がかなり減少した。このような現象は、英国、スペイン、ドイツでも現れている」と明らかにした。

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する場合、世界の経済成長率が最悪の水準になると懸念されている中、二酸化炭素の排出量も共に減少すると予測される。経済協力開発機構(OECD)は最近、最悪の場合、今年の世界の経済成長率が1.5%以下になるという見通しと炭素の排出量もこれにともなって1.2%減少するという分析を出した。

OECDは、「新型コロナウイルスで在宅勤務やオンライン会議などが広範囲に取り入れられ、現在の世界的な非常事態が続く場合、二酸化炭素の排出量が減少するだろう」とし、新型コロナウイルスがもたらした社会的、経済的活動の変化の様相を注意深く見る必要があると伝えた。


キム・ミンス記者 reborn@donga.com