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「ITには高齢者に便利な技術が沢山」 世界で活躍する世界最高齢プログラマーの若宮正子さん

「ITには高齢者に便利な技術が沢山」 世界で活躍する世界最高齢プログラマーの若宮正子さん

Posted August. 10, 2019 07:32,   

Updated August. 10, 2019 07:32

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デジタルの世の中で女性と高齢者はしばしば非主流と見なされる。日本の「おばあさんスティーブ・ジョブス」と呼ばれる若宮正子さん(84)は、このような固定観念を破って有名になった。若宮さんは2017年に81歳の年齢で高齢者用ゲームアプリ「hinadan(ひな壇)」を開発した。人々は若宮さんが60代から独学でコンピュータを学んだということにまた驚く。

6月末、神奈川県藤沢市にある若宮さんの自宅を訪れた。地下鉄の駅に近いアパートの玄関に入ると、アップルのティム・クック最高責任経営者(CEO)と共に写った写真、日本の各種団体からの「ロールモデル賞」などが目についた。昨年、国連社会開発委員会(CSocD)の会議でスピーチをして話題になった若宮さんは、今年6月には主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を控え、高齢化に対し金融包摂のあり方を議論するフォーラムで、高齢者への情報技術(IT)教育の必要性について基調講演を行った。

様々な講義のほかに、本『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります』を出版するなど活発に活動する若宮さんは、インタビューで、「市民団体の招待でエストニアに行ってきて一週間も経っていない」と話した。「エストニア電子政府に関心があり、あれこれたくさんのことを尋ねた。電子永住権も作った。外国人もオンライン登録だけで永住権を受けていた」と語った。

エストニア旅行談によって電子政府システムとブロックチェーンの技術にまで広がった。高等教育を受けたのだろうと考えるかも知れないが、高校卒業後40年間、銀行員として働いた若宮さんは、退職まで「コンピュータ音痴」だった。独身の若宮さんは、1990年代、母親の看護をして外出が難しくなると、パソコン通信を始めた。コンピュータ設置からパソコン通信、チャットをするまでに3ヵ月かかった。

その後、エクセル、プログラミングなどに領域を広げた。例えば事務用プログラムに使われるエクセルを図案デザインに活用するいわゆる「エクセルアート」を開発した。若宮さんは最近も3Dプリンターを使ってエクセルアート図案でペンダントやネックレスなどアクセサリーを作る。

 

20坪(約66平方メートル)ほどの家の家財の多くは、ノートブックやデスクトップPC、アイパッドや人工知能(AI)スピーカーなどデジタル機器だ。家電製品の大半をAIスピーカーと連動させたという若宮さんは、「OKグーグル、テレビをつけて」と言い、記者に電子機器の作動方法を説明した。「高齢者はデジタルに馴染まないが、実は高齢者に便利な技術が本当に多い。高齢者が新しい技術に接するきっかけが必要だ。高齢者の会など通じて、デジタル機器を紹介することも良い方法かも知れない」

インタビューをした日、オンラインのコミュニティで知り合った友人も若宮さんの家に来た。60代から70代の女性たちは、若宮さんと8月に予定されたAI関連行事を準備するために集まった。友人たちも若宮さんのように独学でデジタルを習得したという。ある70代の女性は、「実家と義理の両親4人を相次いで介護し、苦しい時期をオンラインのコミュニケーションで乗り越えることができた」と話した。デジタルの恩恵として、ペ・ヨンジュンのファンだという60代の女性はオンラインのファンコミュニティで接する楽しみを、別の70代女性は、「遠方に住む家族との映像通話」を挙げた。若宮さんが同年代の高齢者にITを積極的に勧める理由でもあった。「ITの世界に入って、私は幸せになりました。他の人も幸せになってほしい」


丘佳仁 comedy9@donga.com