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南北の「徒歩橋」会談…何を話したのか

Posted February. 13, 2019 09:02,   

Updated February. 13, 2019 09:02

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大きな岩に置かれた小さなメモ、壁にもたれて景色を眺めるような傘、静かな室内、ドアを開けると広がる湖。極めて日常的な素材だが、微妙な構図がかもし出す慣れない感じが、「何が起こったのか」という思いを抱かせる。4年ぶりに個展を開く画家、黄圭伯(ファン・ギュベク)氏(87)は、「楽しんで、幸せに描いた」と絵を紹介した。

叙情的な版画で有名な黄氏が今回、キャンパスに描いた油画、アクリル画20点を紹介した。黄氏は、「版画は体力を消耗するので、絵画にした」とし、「筆で作業し、事物を私の思い通りに具体的に描くことができた」と語った。

すべて最近1~2年間の絵で、南北首脳会談を見て感じたことを込めた「SOUTH AND NORTH SUMMIT」もある。黄氏は、「南北首脳が板門店(パンムンジョム)の徒歩橋で、笑って会談する様子を見たことから、作品を描いた」と説明した。窓の向こうに誰もいない徒歩橋が見え、窓の枠には斜めに寄りかかった傘と時計がある。黄氏は、「時計は時間の流れをあらわし、形も美しいので描いた。傘は南北首脳が何を話したのか盗み聴く私の姿を意味する」と笑った。

黄氏の代表作は1970年代の、芝生の上にはためくハンカチを表現した連作だ。イタリアの画家、ジョルジョ・デ・キリコの作品を連想させるシュルレアリスムの雰囲気と繊細なメゾチント技法で注目を受けた。1968年にフランスに渡って版画家の道を歩み、「版画の再創造」という評価を受け、パリとニューヨークで活動した。

 

黄氏は、「米国に初めて行った時、欧州とはまったく違う進取的な世界を見て、新しいことをしなければならないと悩み、芝生に寝転んでハンカチを広げ、インスピレーションを受けて描いた作品だ」と語った。そして、「注目を受けるようにしてくれた恩人と同じ作品だ。『ハンカチ』がなかったら、白菜売りをしていただろう」と話した。

すべての絵を想像で始めたという黄氏は、「絵の中の見えない話を観客に楽しんでもらいたい」と語った。来月10日まで。ソウル鍾路区(チョンロク)ガーナ・アートセンター。無料。


金民 kimmin@donga.com