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ICBMのない軍事パレード、米への刺激を避ける

ICBMのない軍事パレード、米への刺激を避ける

Posted September. 10, 2018 08:37,   

Updated September. 10, 2018 08:37

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、トランプ米大統領に送った親書などを通じて、「終戦宣言の対話のテーブルに米国が出てくるなら、非核化の追加措置について議論することができる」という意思を伝えたという。米国もこれに合わせて先月中止になったポンペオ国務長官の訪朝を再び推進している。停滞した米朝非核化協議が、今月に入って再び動き出している。

複数の与党関係者は9日、「正恩氏が5日、韓国特使団との面談で、米国が終戦宣言の議論に乗り出せる非核化の条件を提示したようだ。米朝が再び対座すれば、議論がなされるだろう」と話した。北朝鮮が望む終戦宣言は一気に締結されないため、終戦宣言の議論に向けた対話のテーブルが設けられただけでも、ワシントンが望む核廃棄の検証、核リストの作成などを検討できるということだ。

正恩氏は、特使団に会った翌日の6日、このような内容を含む親書をトランプ氏に送った。トランプ氏は7日、専用機のエアフォースワンで記者団に対して、「正恩氏の書簡が私に届いている。この手紙は昨日(南北の)国境で渡された。肯定的な書簡だと思う」と明らかにした。正恩氏がトランプ氏に送る4回目の親書だ。

正恩氏が非核化協議に向けた進展した動きを示唆したことで、ホワイトハウスのムードも変わる様相だ。与党関係者は、「18日から平壌(ピョンヤン)で開かれる南北首脳会談の前にポンペオ氏が訪朝する可能性が高い」と伝えた。ポンペオ氏の訪朝が実現するなら、正恩氏または金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長とポンペオ氏の会談→平壌南北首脳会談→国連総会期間中のニューヨークでの韓米首脳会談が約10日間隔で展開することになる。特に、米国は韓国特使団の訪朝を機に、南北共同連絡事務所の開設に同意する方向に旋回したという。早ければ14日前後に開設される見通しだ。

このようなムードを意識してか、正恩氏は9日に行われた建国70年記念式で「控えめに」振る舞った。演説はせず、軍事パレードでも「火星(ファソン)15」など大陸間弾道ミサイル(ICBM)を登場させなかった。ある外交筋は、「米国の11月の中間選挙前に終戦宣言の下絵だけでも描かなければならないと追い込まれた正恩氏が、不必要に米国を刺激する必要はないと判断したのだろう」と指摘した。正恩氏が、韓国特使団との面談で「トランプ氏に対する信頼は変わっていない」と述べ、融和ジェスチャーを見せたことの延長線上とみえる。


ハン・サンジュン記者 イ・ジョンウン記者 alwaysj@donga.com · lightee@donga.com