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米、2020年までに「宇宙軍」創設

Posted August. 11, 2018 09:02,   

Updated August. 11, 2018 09:02

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2007年、中国は使えなくなった気象衛星を弾道ミサイルで破壊した。地上から撃ったミサイルを受けた衛星の残骸が宇宙の軌道に散った。米国は驚いた。世界超大国の米国の力を支える偵察衛星など宇宙戦略資産を中国が地上から攻撃できるという懸念が現実になったためだ。

ペンス米副大統領は9日(現地時間)、バージニア州アーリントンの国防総省庁舎で、宇宙軍創設を宣言し、11年前に中国の衛星破壊事件について言及した。ペンス氏は、「宇宙を軍事化しようとする中国の増強した力を見せつけた非常に挑発的な示威」と規定した。

● 米、2020年までに宇宙軍を創設

 

ペンス氏は2020年までに宇宙軍の創設を目指す下絵を公開した。そして、今後5年間、80億ドル(約8兆9千億ウォン)の追加予算を宇宙安保システム構築に配分することを議会に要請した。国防総省も同日、宇宙軍創設に必要な措置を盛り込んだ報告書を議会に提出した。中国、ロシアを退けて宇宙覇権を狙うトランプ米大統領の「宇宙ドリーム」が輪郭を表わしたのだ。

トランプ氏は同日、ツイッターに「宇宙軍一筋(Space Force All the Way)!」と投稿し、宇宙軍創設への意欲を示した。トランプ氏は6月に開かれた第3回国家宇宙委員会で、「宇宙で(米国が)支配権を持たなければならない」とし、ダンフォード合同参謀議長に宇宙軍創設を検討するよう指示した。

昨年まで「間接費を減らし、戦闘遂行能力の統合に力を入れなければならない時」とし、宇宙軍創設に反対していたマティス国防長官は、最近、「宇宙が接戦が繰り広げる戦争の領域になっている」と支持に回った。現在の空軍傘下の宇宙司令部が独立して宇宙軍に拡大・再編されれば、陸海空軍、海兵隊、海岸警備隊の5軍体制が6軍体制に変わることになる。

●宇宙も戦場、「第2スターウォーズ」公式化

 

米国の先端宇宙兵器開発は、1983年にレーガン大統領が発表した「スターウォーズ計画」(戦略防衛構想・SDI)が元祖だ。衛星とレーザー兵器を利用して「悪の帝国」ソ連の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を宇宙で迎撃するという野心に満ちた構想だった。しかし、実現の可能性をめぐって論議が続き、冷戦終息後、推進根拠を失った。

「米国を再び偉大に」というスローガンを掲げたトランプ政権が2020年までの「宇宙軍創設」を公式化し、35年前のレーガン政権のスターウォーズ計画を事実上復活させたと指摘されている。

米国の軍事衛星は、ミサイル防衛、攻撃誘導、通信や偵察など世界最強の軍事力を支える核心資産だ。ペンス氏は、「ロシア、中国から北朝鮮、イランにいたる国々が、地上で電子戦攻撃によって米国の航行や通信衛星を妨害して視野を遮り、無力化するための兵器を追求してきた」とし、脅威勢力を取り上げた。

特に、中国とロシアが最大の脅威に挙げられる。中国は昨年、2045年までに米国を退けて世界最高の宇宙強国になるという宇宙開発ロードマップ報告書を発表し、ロシアはマッハ20の速度で飛行する極超音速ミサイル「アヴァンガールト」を量産するなど、先端兵器の開発に拍車をかけている。米紙ニューヨーク・タイムズは2月、米国情報当局の分析を引用して、中国とロシアが米国の衛星を2、3年内に撃ち落とすことができると伝えた。米紙ワシントン・ポストは、「ロシアと中国が米国の宇宙資産に挑戦している」と指摘した。

●支持に回った国防総省、残るは議会

ペンス氏が、宇宙軍創設計画を公開すると、トランプ氏再選支持者は、宇宙軍のロゴまで公開し、「宇宙軍ムードづくり」に乗り出した。宇宙軍創設を支持する米下院マイク・ロジャース(共和党・アラバマ)、ジム・クーパー議員(民主党・テネシー)は共同声明を出し、「宇宙軍が米国をさらに安全で強力にする」と主張した。

トランプ政権は2020年の宇宙軍創設に先立ち、年末までに4つ星将軍が指揮する宇宙軍司令部を創設する計画だ。在韓米軍と在日米軍を管轄する米インド太平洋司令官が宇宙軍司令官を兼職する案が検討されている。さらに国防総省宇宙担当次官補、宇宙開発部(SDA)、宇宙作戦軍が新設される。来年2月に提出する2020年予算案に宇宙軍創設予算を反映し、関連法案も議会に提案する計画だ。


朴湧 parky@donga.com