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今年のピューリッツァー賞に香港デモ隊とインド少女の涙

今年のピューリッツァー賞に香港デモ隊とインド少女の涙

Posted May. 06, 2020 08:07,   

Updated May. 06, 2020 08:07

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米国言論界で最高の権威を誇る今年のピューリッツァー賞の受賞作に、アラスカの性暴力、香港の反中デモ、ボーイング連続墜落などに関する報道が選ばれた。当初は先月20日に発表する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期され、4日(現地時間)の発表もダナ・カネディ理事会事務局長が、自宅のリビングルームで動画で発表した。

ピューリッツァー賞の理事会は同日、アラスカ地域のメディア「アンカレッジデイリーニュース」、ニューヨーク所在の非営利探査報道媒体「プロパブリカ」を大賞ともいえる公共サービス部門の共同受賞者に選んだ。二つの媒体は、北極圏に位置して公権力が限られており、先住民の割合の高いアラスカの性暴力問題の深刻さを告発した。特に、一部の田舎では、米国内のいかなる地域よりも性犯罪者が多いことを浮き彫りにした。二つの媒体は、それぞれ3度目、6度目の受賞栄誉に輝いた。

探査報道部門は、ニューヨーク市のタクシー免許の「追い銭」の実態を扱ったニューヨーク・タイムズ(NYT)が受賞した。タクシー免許を最高100万ドル(約12億ウォン)で購入したが、ウーバーなどの活況で免許価格が急落すると、莫大な借金を抱えて自殺したドライバーたちにスポットライトを当てた。

速報写真は、香港反中デモ隊の姿を盛り込んだロイター通信、特集写真は、インドがパキスタンとの領土紛争地域であるカシミールを統制する様子を盛り込んだAP通信が選ばれた。特にインド兵士のガラス弾丸が目に当たってけがをした少女の写真が大きな反響を呼んだ。AP通信の記者たちは検閲を懸念して、野菜バスケットにカメラを隠して、一般旅行者に写真ファイルの運びをお願いするなど、スパイ作戦を彷彿させる力を入れて栄誉に輝いた。

国内報道は、ボーイング「737マックス」の機体欠陥と連続墜落事故を暴いたシアトルタイムズ、米第7艦隊所属艦艇の相次ぐ人身事故や訓練怠慢を報じたプロパブリカが共同受賞した。国際報道は、ロシアの海外介入工作を報じたNYTが受賞した。速報部門は、退任直前に約600人に無分別な恩赦と減刑を事にしたマット・ベビン元ケンタッキー州知事を告発した地域メディア「クーリエジャーナル」、論評部門は、アフリカ黒人奴隷が米国に初めて到着した1619年を記念して、これが米国に及ぼした影響を扱ったニコール・ハンナジョーンズNYTコラムニストが受賞した。

今年新設された「オーディオ報道」部門は、ドナルド・トランプ政権の反難民政策がもたらした問題を暴いたロサンゼルス・タイムズのモリー・オトゥール記者、フリーランス記者・エミリー・グリーンが共同受賞した。

ピューリッツァー賞は、米メディア財閥ジョーゼフ・ピューリッツァーの遺言により1917年に創設された。ハンガリー出身のユダヤ系米国人であるピューリッツァーの遺産で、専門ジャーナリスト教育機関の始まりと評価されるコロンビア大学ジャーナリズムスクールも誕生した。メディア分野では報道、写真、批評など15部門、芸術分野では、ドラマ、音楽などの7つの部門で受賞者を選ぶ。受賞者は1万ドルの賞金を、公共サービス部門の受賞者は金メダルも受ける。カネディ事務局長は、「前例のない不確実性の時代だが、ジャーナリズムは決して停止しないことは確かだ」と強調した。


キム・イェユン記者 yeah@donga.com