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半世紀以上も続いたポップ音楽と美術界との蜜月

半世紀以上も続いたポップ音楽と美術界との蜜月

Posted February. 07, 2020 08:18,   

Updated February. 07, 2020 08:18

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大衆音楽と美術界との蜜月関係は、新しいことではない。半世紀以上も続いてきた。

いわば「バナナアルバム」は、知られている初期事例である。アンディ・ウォーホル(1928〜1987)と米ロックバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」が会って作った1967年作「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ」のアルバムだ。白地に黄色いバナナを描いた表紙で有名だ。グループは、アルバム制作前にウォーホルの視聴覚芸術プロジェクト「避けられないプラスチックの爆発」に参加していたし、そのために作った曲に手を加えてアルバムを完成した。ウォーホルは、アルバム製作費を出し、表紙のデザインも担当した。自分が芸術界で持っている存在感を利用して、潜在力の高いインディーズバンドだった「ヴェルヴェット…」にスポットライトを照らしたという解釈も出ている。

昨年、ソウルで記者と会ったヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバー、ジョン・ケイルは、「白南準(ぺク・ナムジュン)とジョン・ケージ、フルクサス運動など、当時、お互いに異なる芸術ジャンルが行き来しながら相互作用する傾向を1960年代にニューヨークで肌で感じたことが、音楽制作にも大きな影響を及ぼした」と語った。鶏が先か卵が先かは関係なく、大衆音楽と美術が直接肌を合わせて、化学反応を起こしたことになる。

同様の時期に、ビートルズはロックンロールバンドに対する固定観念を越えようとする努力の一環として、美術との接点を作った。ポップアート作家のピーター・ブレイク、ジャン・ハワースに「Sgt。Pepper's Lonely Hearts Club Band」(1967年)の表紙デザインを任せたのだ。

近年では、ポップスター・レディー・ガガと美術家ジェフ・クーンズの交流にスポットライトが当たっている。ガガは、2003年にアルバム「ARTPOP」の表紙をクーンズに任せた。クーンズは、ルネッサンスの画家ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を変形して、ユニークなイメージを作った。収録曲「Applause」で、カガはこのような歌詞を歌う。「(かつては)大衆文化(pop culture)が芸術に属したが、今は芸術が大衆文化に属している」

ミュージックビデオでは、この部分を歌う時、ガガが「ブラックスワン」に変身する。

21世紀に入って、ヒップホップの方でも美術作品やアイデアを積極的に取り入れている。「私の音楽は、このような作品に比肩するほど不滅の名作だ」というヒップホップならではの威張りの文化も影響を及ぼした。米国のラッパー・ジェイジーは、2013年のアルバム「Magna Carta Holy grail」の表紙を、まるで古典名作のように英ソールズベリー大聖堂に展示した。大憲章の横に並んで。

ラッパー・ロジックは、2017年のアルバム「Everybody」の表紙で、16世紀のイタリアの画家パオロ・ヴェロネーゼの「カナの婚礼」を変形した。ラッパー・フレディ・ギブスは、同年出した「You Only Live 2wice」の表紙で、ルネサンス画風でイエスの再臨をパロディした。

これまで複数の大衆音楽家と芸術のコラボレーションは話題を生んだり、マーケティングの手段にすぎないという酷評を受けたりした。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com