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「正面突破」長期戦を宣言し、「飢えの道」を強要する金正恩氏

「正面突破」長期戦を宣言し、「飢えの道」を強要する金正恩氏

Posted January. 02, 2020 08:19,   

Updated January. 02, 2020 08:19

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北朝鮮は1日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「新年の辞」を発表する代わりに、前日まで4日間行われた労働党中央委員会全員会議の演説内容を公開した。正恩氏は演説で、いわゆる「正面突破戦」路線を掲げ、核・ミサイルなど戦略兵器の開発を続けていくことを明らかにし、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)中止の約束の破棄も警告した。ただし、「抑止力強化の幅と深度は米国の今後の立場次第で調整される」と述べ、米朝対話の余地を残した。

 

正恩氏の演説から、北朝鮮が今直面している困惑した状況が読み取れる。正恩氏は終始、「白昼強盗の米国の二重的振る舞い」を非難し、「世界は近く、わが国が保有することになる新たな戦略兵器を目の当たりにすることになるだろう」、「衝撃的な実際行動に移る」と警告した。しかし、一方で正恩氏は、「われわれにとって経済建設に有利な対外的環境が切実に必要なのは事実」とし、どうすることもできない状況であることも認めた。 

そのためか正恩氏は対外強硬挑発を明らかにしながらも、米朝関係を破局に至らしめるレッドラインは越えなかった。北朝鮮は自ら掲げた期限の年末にもかかわらず、昨年「クリスマスプレゼント」挑発をしなかった。1年前から予告した「新しい道」も明らかにしなかった。特に、核・ICBMの実験中止の約束について、「われわれはこれ以上、公約にとらわれる根拠がなくなった」としたが、約束を破棄するとか米朝交渉を中止するとは言わなかった。

北朝鮮は代わりに「正面突破」路線を採択したが、それは概ね昨年末から続いた緊張局面を当分の間継続するという事実上の延長戦の宣言に相違ない。正恩氏は、「米朝の膠着状態はやむを得ず長期性を帯びることになっている」とし、むしろ「時間はわれわれの側」と主張した。制裁解除を拒否する米国に対抗して核・ミサイル開発を中止しなければ、時間が経てば経つほど自分たちの核能力は高まり、不可逆的なものになるという論理だ。

 

そうなればますます北朝鮮に対する制裁は強化されるほかないが、正恩氏はその苦痛を住民に負わせた。自力更正と自給自足、すなわち「長期窮乏」を予告し、「腰のベルトをきつく締めて自力富強しよう」と述べた。その対策とは、せいぜい国家的指導管理、節約精神の体質化、無条件の期日内の完成などだ。正恩氏は、「華麗な変身を願って、尊厳を売り払うことはできない」と強調したが、自身の尊厳のために住民を飢えさせる指導者は世の中にあり得ない。