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来ていない人たちを待つ歌…ハンガリーBFOが来韓コンサート

来ていない人たちを待つ歌…ハンガリーBFOが来韓コンサート

Posted June. 27, 2019 09:01,   

Updated June. 27, 2019 09:01

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ブダペスト・フェスティバル・オーケストラ(BFO)の来韓公演の初日だった24日、ソウルのロッテコンサートホール。舞台に上がった指揮者イヴァン・フィッシャーの手にはマイクが握られていた。

「私たちは惨事が起きたブダペストから来ました。ハンガリーの国民とブダペストの市民、団員たちと私は遺族の方々にお悔やみ申し上げたいと思います。哀悼の歌をいたします。来ていない人たちを待つ歌です」

彼は手を振りながら、指揮し始めた。聴衆がギョッとした。弦楽奏者の助奏の上に、メンバーたちが韓国語で歌を歌い始めた。

「日の出の峰に日が出たら、私を呼んでほしい。…待っていても君はこない…」

チャン・イルナムの曲、キム・ミンブ詩の歌曲「待つ心」だった。聴衆の目もとがしっとりとなった。フィッシャーは、歌を強調する指揮者として知られている。BFOは来韓舞台をはじめとするいくつかのコンサートで、アンコールとして歌を歌ってきた。2016年の来韓公演では、本プログラムであるドヴォルザーク交響曲第8番の一部の演奏を、声で代わりにした。

フィッシャーは、行動主義者としても名高い。1989年、彼とBFOがハンガリーに押し寄せてきた東ドイツ難民たちのために開いた予定のなかったコンサートと遠足行事は、国境脱出につながって鉄の壁崩壊のきっかけとなった。作曲家でもある彼は、2013年、ハンガリー内の極右性向に反対するオペラ「赤いハイパー」を披露した。

アーデル・ヤーノシュ・ハンガリー大統領も、同日の公演プログラムブックに追悼文を投稿した。チョ・ソンジン共演のベートーヴェン・ピアノ協奏曲4番に続き、交響曲第7番を演奏した公演は、弦楽を中心とした一致感とリズムの自由が調和した名演だった。とある観客は、「追悼の雰囲気で始まったが、後に喜びの爆弾が炸裂したようだった」と話した。フィッシャーとBFOは25日、ソウル芸術の殿堂に続き、26日は釜山(プサン)文化会館、27日は大邱(テグ)コンサートハウス、28日は大田(テジョン)芸術の殿堂でチョ・ソンジン共演で公演を行う。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com