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成長率を5回連続下方修正し金利も3回連続据え置き、構造改革が解決策だ

成長率を5回連続下方修正し金利も3回連続据え置き、構造改革が解決策だ

Posted May. 26, 2023 08:28,   

Updated May. 26, 2023 08:28

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韓国銀行は、今年の年間経済成長率の予測値を1.4%に下方修正した。昨年5月と8月、11月と今年2月に続き、5回連続で下げた。OECD(経済協力開発機構=1.6%)やIMF(国際通貨基金=1.5%)など、主要国際機関の見通しよりも悲観的だ。中国のリオープニング(経済活動の再開)効果が期待を下回り、半導体業況の回復も予想より遅いためだ。景気減速などを考慮し、基準金利は年3.50%で3回連続で据え置いた。

韓銀は昨日、修正経済見通しを通じて、今年の年間国内総生産(GDP)の成長率の予測値を、従来の1.6%から1.4%へと0.2%ポイント下げた。5回の下方修正で、成長率予測値が1.1%ポイント下がった。来年の経済成長率の予測値も、当初の2.5%から2.4%に下げた。中国の景気回復が遅れ、先進国の金融不安が拡大すれば、成長率は今年は1.1%、来年は2.1%まで下がりかねないと警告した。

韓銀が悲観的な予測を出したのは、それだけ韓国経済を巡る状況が容易ではないことを示している。半導体の輸出が揺らぎ、今月まで輸出減少は8ヵ月間、貿易収支の赤字は15ヵ月間続いている。今年の累積貿易赤字は295億4800万ドルで、昨年同期の2.5倍に達する。半導体景気の回復時期も、第3四半期から第4四半期にずれ込むものと予想される。下半期に景気が多少回復しても、構造的低成長のトンネルから抜け出すのは難しそうだ。

しかし、韓銀の成長率の引き下げと基準金利の据え置きを、緊縮終了のシグナルと解釈するのは無理がある。先月の消費者物価の上昇率は、14ヵ月ぶりに3%台に下がったが、農産物・石油類を除いた根源物価は4.6%上がり、依然として高い。電気・ガス料金の値上げなども待っており、まだインフレとの戦いを終わらせる時ではない。金利引き上げは終わったという期待で家計向け融資が増え、不動産価格が上がる可能性も警戒しなければならない。状況によっては、追加金利引き上げの可能性も残しておかなければならない。

物価と成長の二兎のうちどれも諦めにくい。ジレンマを克服する方法は、韓国経済の成長潜在力を回復することだけだ。労働・教育・年金などを含む構造改革が、さらに急がれる。韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁も、「構造改革なしに、財政・通貨など短期政策で解決しようとするのは、国が壊れる近道だ」と話した。物価安定と健全財政の基調を確固たるものにしながら、企業活力の向上と経済体質の強化にすべての力量を集中しなければならない。基礎体力を育てずに、金利引き下げと財政拡張を通じて資金のみ供給するだけでは、長期的成長は担保できない。