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「ルカ」の韓国人アニメーター、「イタリアらしさの表現に集中しました」

「ルカ」の韓国人アニメーター、「イタリアらしさの表現に集中しました」

Posted June. 10, 2021 08:26,   

Updated June. 10, 2021 08:26

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ディズニー&ピクサーの新作アニメ「あの夏のルカ」で、もう一つの主人公は背景になったイタリアだ。北イタリアのジェノバで生まれ育ったエンリコ・カサローザ監督は、映画が「イタリアへの私のラブレター」と明かした。あの夏のルカでは、青い空と明るい日差し、清涼な海のようにイタリアの趣が漂うシーンが絶えず繰り広げられる。17日に公開する映画は、地上で人間の姿に変わる気の小さいな海のモンスター・ルカが、冒険心溢れる友人アルベルトと出会い、人間世界に旅立つ冒険を描いている。

キム・ソンヨン・レイアウトアーティストとチョ・ソンヨン・マスターライターは、この映画の「イタリアらしさ」を表現するのに貢献した。レイアウトアーティストとは、画面の動きとキャラクターの動線を構成し、ライターは照明度を調節して時空間の独特の雰囲気を演出する。

「イタリアの空を多く研究した。360度にカメラを回して空を見せたり、日が沈むシーンが多い。イタリアで日の出と日の入りの様子を撮影した動画を通じて、周辺の影と鮮明度、色感の変化を研究した。イタリアに行った時、路地ごとに洗濯物が干されていたのが印象的だったが、『あの夏のルカ』でも洗濯の影に気を使った」(チョ・ソンヨン)。

「巨大な月光の下で、子供たちが屋根を走り回るシーンがあるが、建物が軒を連ねているイタリアの村の特徴を生かしたのだ。観客が町や海を思う存分鑑賞できるよう、ワイドショットを使った」(キム・ソンヨン)。

海のモンスター・ルカと友達のアルベルトは、映画で人間と海のモンスターの姿を行き来する。モンスターに変わるレベルによって照明度を変えてディテールを生かした。

「人間と海のモンスターはそれぞれ適した照明度が違い、モンスターから人間に変わるシーンで二つの照明度を混合した。モンスターに変わる程度によって混合比率も変わる。また、モンスターに変わる時、水が肌に触れるシーンが自然に見えるように、最適の照明度を見つけようと努力した」(チョ・ソンヨン)。

あの夏のルカは、全ての制作過程がパンデミック期間と重なった。ピクサーは、職員らが会って、コミュニケーションを取る過程で創意的アイデアが出ることがあるという理由で、しばらく在宅勤務を認めなかったが、あの夏のルカの製作の時は違った。

「家では子供たちが走り回るなど、仕事に集中しにくい環境なので、製作期間を流動的に決めました。実際に映画館で見る時、シーンがぎこちなくないか確認する作業を家でもできるよう、仮想現実技術が支援されたこともあります。『もう家でも映画を作れるんだな』と思いました」


金哉希 jetti@donga.com